Gallery Informationの最近のブログ記事

DSC00422.jpg8月27日から開催中の岡部東京さんの写真展、"ヨッシーワールド"が大変好評です。連日たくさんの来廊者があり、岡部さんの写真の世界に驚かれ、にぎやかに笑いが広がって、皆さん楽しまれている様子です。一方で、一部の写真ファンからは批判もあるようで、岡部さんが神妙な表情で耳を傾けるシーンなどもありました。賛否両論の中、展覧会は会期を1週間残すだけとなっています。




DSC00424.jpg
2008年キャノン写真新世紀で入選されてからあまり活動という活動のなかった岡部さんですが、埋もれている写真家を再発掘し世に問いかけようとTANTOTEMPOが声をかけて実現した写真展です。普通なら笑ってスルーしてしまうところを、やはりそのエンターテイメント性と写真制作までの細やかなプロセスに可能性を感じてのメインギャラリーでの個展に発展した企画です。面白ければ何をやってもいい、というのではつまらない展覧会になったでしょうが、岡部さんの作品はものすごく時間をかけて手作業で制作した"舞台"を撮影することで、まるでコラージュのように幾重にも人物を立体的に重ねており、その作業自体がとても楽しく見えるのです。また、今回は作品の魅力をいろいろな見せ方で問いかけられるよう、アクリル作品と額装作品、さらには"舞台"そのものを展示しています。作品がいかに細やかな手作業の上に成り立っているかを見ていただいており、これが人々をうならせている理由です。

9月17日(土)午後4時から岡部東京ギャラリートークも開催します。
参加無料、お申し込み不要ですので、どうぞお誘い合わせの上お越し下さいますようお願いいたします。
ohwada1.jpg
ⓒRYO OHWADA

写真家 大和田良さんの写真展、"FORM-SCENERY SEEN THROUGH BONSAI"展を開催します。

このシリーズは国内外で高い評価を受けている写真家、大和田良さんが東洋の伝統美として人気の高い盆栽をテーマに撮影したシリーズで、今年5月から7月までさいたま市大宮盆栽美術館にて開催され大変好評だったものです。現在東京新宿のB GALLERYと広尾EMON PHOTO GALLERYとで同時開催されている展覧会ですが、10月8日(土)から11月6日(日)まで、TANTOTEMPOにて開催します。 

盆栽という東洋の伝統芸術は、自然とそれに対峙するひととの対話によって成り立つとされ、長い歴史をもち、国内だけでなく海外にも根強いファンがいらっしゃいます。大和田良さんは盆栽の個性や価値を形作る技術、論理と向き合い、写真の手法を丁寧に絡めながら、盆栽の存在理由をこの"FORM"のシリーズで明らかにしています。 大和田さんがどのようにして古来受け継がれてきた東洋的伝統美に対して西洋的美の手法である写真でアプローチするのか、ぜひTANTOTEMPOでご覧ください。非常に美しい作品となっています。

また、この展覧会にあわせて10月29日(土)午後4時から大和田良トークショーを開催します。


FORM -SCENERY SEEN THROUGH BONSAI-
大和田良写真展
2011年10月8日(土) - 11月6日(日)
午前11時30分-午後7時
水・祝日定休

大和田良トークショー
2011年10月29日(土)午後4時から
参加費:¥2,000(レセプション付き)
参加お申し込み先着40名様
当日参加は受付できません。必ず事前にお申し込みをお願いいたします。
お申し込みは
event@tantotempo.jp
まで。
R0012048.jpg【写真展概要】
表題の写真展に参加を希望する写真家を公募します。
この写真展は昨年第1回を開催し大変好評だった企画です。
震災や世相の惨状に少しでも明かりを灯せるよう、また人々の社会への関わりを深められるよう、ひとのこころに届く写真展を公募展として開催します。
【写真展】
HEARTFUL MONOCHROME Vol.2
写真展開催期間:2011年9月22日(木)-10月4日(火)最終日午後5時まで
ギャラリートーク:2011年10月1日(土)午後5時から
各写真家10点の合同写真展
【募集要項・条件】
テーマ:「優しさ」「笑顔」などひとの幸福を追求する表現、あるいはひとの「生きる権利」「社会問題」「地域」に焦点が当てられているアートあるいはドキュメンタリー作品
写真家の条件:原則として40歳以下、プロ・アマを問わない
プリントの種別:作品はモノクロ銀塩写真であり、オリジナルプリントであること
その他の条件:ギャラリートークに参加できること、搬入・搬出ができること(搬入日・搬出:搬入9月20日21日、搬出10月4日PM5-)
本作品サイズ:原則として6切以上
審査員:ハービー・山口氏、TANTOTEMPOディレクター他(未定:交渉中)
審査方法:2段階選考(基本的な技量、テーマの整合性について一次選考があります)
審査項目:作品のテーマ・世界観、写真のメッセージ性、プリントの品質、将来性などの項目について評価をします。また、1次選考を通過した作品について、評価を写真家にフィードバックを予定しています
選出時期:2011年8月31日ごろ
募集数:3名
【応募方法】
まずメールにて申し込みいただきます。追って申し込みに必要な氏名、連絡先、経歴などをご記載いただく申込書を添付した返信をお送りいたします。その書類とポートフォリオをお送りいただいて、参加費をお支払いいただいた時点でお申し込み完了とします。
形態:ポートフォリオ:提出作品は20点以上のシリーズで構成された作品群の一部または全部とし、ポートフォリオ用に作成されたプリントでも可であるが作品と同等のプリント法、品質を持ち、審査中また審査後も要請に応じて本作品を直ちに提出できること
ポートフォリオはフォルダ、ボックス、ファイルに綴じ、すべての作品裏に氏名、通し番号を明記してください(20作品以上の提出が望ましい)
応募期間:2011年7月1日から7月31日(必着:郵送、配送、持込可)
参加費:¥3,000

なお、本写真展に参加した写真家のなかから、特に優れた作品であると判断される写真家について、2012年秋の個展企画を立案することがあります。
本展示の額装は写真家が担当していただきます。(TANTOTEMPOの額を安価でレンタル可能)
R0010929.jpgTANTOTEMPO設立3周年を記念する写真展として、ハービー・山口さんの写真展が5月7日から始まっています。

今回はオープニングなどで特別な行事は行わず静かな滑り出しですが、連休最後の週末ということもありたくさんの方が来廊くださいました。

今回のシリーズはハービーさんの1970年代のシリーズで、ロンドン滞在時に世界中を席巻したオイルショックに触れてハービーさん自身がクウェートに入り撮影した"OIL PRIDE & CRISIS"シリーズを本邦初公開でご紹介するものです。日本でも高度成長期にオイルショックのためにトイレットペーパーや石油製品が買い占められ、社会が大変なパニックに陥ったことを記憶されている方も多いと思います。産油国と欧米列強との駆け引きによってもたらされたこの社会騒動について、ロンドンから世界を眺めようとしていた若き写真家が大変興味を持ち、クウェートに入って石油の匂いに身を寄せるという体験をするのです。
クウェートで目撃するものは何か、第4次中東戦争の陰でペルシャ湾岸諸国が欧米列強に対して反イスラエルの道具として行った原油減産という出来事が、かずかずの優れた、素直な視点で写真にきりとられています。

40年間作風が変わらない、とハービーさんご自身も話されるように、ハービーさんの写真に対する基本的な姿勢は1973年のこのシリーズから現在まで変わっていないように思います。人々の飾らない姿を撮影して人の優しさや力強さに訴えたり、胸を打つ光景を切り取る能力は、まさにハービーさんのセンスの高さそのものです。それは1970年代にロンドンに渡るときから現在に至るまで全くぶれることなく常に高い位置に保たれており、本当にすばらしい写真活動だと思います。4月には日本写真協会作家賞にも選出され、まずます写真界のみならず社会への影響を強めていかれるのではないかと期待しています。

"A Scent of Oil"をTANTOTEMPOでぜひご覧ください。

なお、本展覧会のトークショーについて、ひと言皆さまにお詫び申し上げます。4月初旬のHP告知から順次参加者の募集をおこなってまいりましたが、写真展開始時点でハービーさんのトークショーは満席となっております。大変申し訳ありません。キャンセル待ちもあまり期待できない状況ですので、どうぞご理解ご協力をくださいますようよろしくお願いいたします。本写真展にて本シリーズまたはハービー・山口さんの他のシリーズ作品をお買い上げいただきますと、数席ですが優先で固定席をご用意することになっています。ぜひ作品お買い上げをご検討くださいますようお願いいたします。
R0016097.jpg5月1日、TANTOTEMPOにてSocio Arteの枠組みの緊急ギャラリートークを開催しました。

このギャラリートークは、震災後被災地で写真を撮影された写真家の鷲尾和彦さんがギャラリーを訪れてくださったことから急遽決まったギャラリートークです。被災地の現状をテレビなどのニュースで知るしかない私たちにとって、現地で撮影されたイメージを見ながら被災地に思いを届けるのはとても重要だと考え、この思いを鷲尾さんにお伝えしたところ、急遽ギャラリートークが決定しました。急な告知だったのも関わらず、当日会場にはたくさんの方が来てくださいました。

ギャラリートークでは、まず今回の地震および津波の被害状況について、被災地に入った写真家の立場から、鷲尾和彦さんがスライドショーを中心に写真で紹介していただきました。被災後しばらく経ってからの撮影とはいえ、生々しい被災地の様子が伝わってくるスライドショーで、参加者も息をのむシーンもありました。しかし、全体的に抑制がとれたわかりやすい写真が多かったと思います。現地に入った写真家の多くが抱く「被災地の写真を世に出していいのだろうか。出すのであればいつなのだろう。」という悩みについても鷲尾さんも率直に語っておられましたが、神戸で震災を経験した立場から、またギャラリーの立場として、あらゆるイメージが震災の記録という観点から重要であり、写真家として現地に入ったのであればどのようなシークエンスも発表の義務と責任を負うとの意見を述べました。被災者への配慮、という考えは必要だけれど、真実への訴求は緩めてはならないというのが僕自身の考え方であると伝えました。

次に、神戸の震災の体験から、都市型の震災と今回の津波被害との違いや復興への困難さについて会場で意見を共有しました。特に、人々が多く住み暮らしと産業が周辺に適度に分散した都市の震災と、暮らしと産業が一体化している今回の被災地の状況とがまるで異なっていることを鷲尾さんの写真からひもときながら考えてみました。結局のところこの街を離れることのできない人が行政の関与と自身の努力でカバーしてきた神戸と、被災の状況も復興も構造が根本的に異なるのではないかとの意見で、やはりこのような災害に対する支援を考えた場合もっとも必要なことは、忘却と疲労への対策だと思います。

大きな被害についてはどうしても国主導の復興支援が必要不可欠で、とすれば国民の税金が被災地に投入されるのはやむを得ない訳ですが、神戸を例にとるとあらゆる人の暮らしの断片について税金の投入ですべてがまかなわれると考えるのには無理があります。まず必要最小限の生活から、次にインフラや大きな産業から復興というものはなされていって、文化や芸術がつい遅れるなど、やはり力関係によって差がつく可能性がある訳です。

人は社会との関係性によって、その活動を文明として発展させてきました。本来ひとはちっぽけな動物に過ぎない訳ですが、文明社会への参加をすることで人類は未来への礎を築いてきました。3つ目のセッションでは鷲尾和彦さんの代表作「極東ホテル」(赤々舎)をスライドショーにて拝見しました。この写真集は、まさに文明の澱みのような場所にたたずむ人びとを写真家独特のまなざしで撮影した優れた写真集だと思います。独特のまなざしとは、突き放すでも寄り添うでもない、極めてニュートラルな距離感でホテルの逗留客を撮影している視線です。鷲尾さんの「極東ホテル」のスライドショーを見た私たちは、私たち一人一人がちっぽけであることを思い知らされると同時に、何らかの立場でこの世に参加していることを再確認します。孤独であってもなくても、私たちは社会に組み込まれているそのことから逃れることはできません。普段の暮らしにおいて社会に参加する意識をもつか持たないかは各自が自由に決めるとしても、誰かが苦境に陥ったことに対して責任のある立場で問題解決に参加することの重要性は、今回の震災とその復興でよりはっきりと意識する必要があるように感じられました。「極東ホテル」には孤独と同時につながりが描かれているのです。

最後のセッションは、被災地への義援金や文化芸術、教育に対するほんの小さな支えをアートや写真界隈から捻出しようというのがSocio Arteの枠組みについての説明とステートメントの確認です。震災当日の夜から明け方にかけて構想を練り、翌朝から動き出して早々に募金箱を制作、活動をすすめてきましたが、たくさんの方が賛同くださって一通り形になるには時間と大きな労力がかかるだろうことは容易に想像がつきます。なぜならアートにはまとまってある問題に構造をあてて解決するといった場や方法がなく、それぞれがばらばらに支援をするしかないのが実情だからです。Socio Arteの目論みは、まさにこの点に焦点をあてて緩やかでも構造をあてて考えてみたいという意思表示であったのですが、いろいろなアートの担い手に問いかけたもののやはり難しいだろうというのが大方の見解でした。しかし、僕自身は難しいとは思っていません。参加を通じて構造を作ることほど現代の日本に必要なものはないと考えるからです。

Socio Arte Kobe 2011のステートメントは以下の通りです。

  • 私たちは東日本大震災の悲しみを決して忘れません
  • 私たちはアートの価値を高め、日常の暮らしに根ざしたアートの活動がかなうよう日々努力します
  • 私たちは制作したまたは手にした作品を愛なで、日々眺め、被災地を思います
  • アートに参加する私たちアーティスト、枠組み実施母体、作品購入者は、アートを通じて被災地に長く大きな支援を届けます

Socio Arte Kobe 2011にご参加くださりありがとうございました。
どうぞ今後ともよろしくご支援をくださいますようお願いいたします。

R0016084.jpg大変遅くなりましたが、4月23日に開始しましたSocio Arte Kobe 2011東日本大震災復興支援チャリティ写真展が5月3日無事終了いたしました。

結果的に内外32名の写真家からお預かりした写真プリントのうち、ちょうど100枚を売り上げ、期間中TANTOTEMPOにて募金箱にて得られた義援金と併せ総額¥833,292の支援金を得ることができました。期間中、本当に多くの写真ファン、アートファンが訪れてくださり、当初は人気のある写真家の作品を中心に、後半はまんべんなく買いがあり、結果的に10日あまりに100枚のプリント販売を通じて大変大きな額の支援がかないましたのでご報告いたしますとともに、ご協力くださいました皆さまにこころより感謝申し上げます。

Socio Arte Kobe 2011という枠組みでの写真アートからの支援はこれで一旦集計し、5月中旬をめどに二分割し日本赤十字社、ジャパンプラットフォームにそれぞれ義援金をSocio Arte名義にて送ることにしています。これらの支援は写真家の皆さん、アートや写真をこよなく愛する賛同者の皆さまによって、また私たちSocio Arte Kobe 2011の実行者の3者が力を合わせて得ることができたものと考えており、かつて大きな被害を受けた阪神淡路大震災の被災地としての立場から早々に表明して立ち上げたSocio Arteのアートからの被災地支援プログラムの趣旨に基づいてご賛同いただいたすべてのかたの意思として被災地に届けられるものと考えており、本年の留まらずさらに大きな枠組みに育てながらより視野の広い、長いスパンで支援できるプログラムにしようと考えております。

どうぞ引き続きSocio ArteまたSocio Arte Kobeの活動にご支援をいただきますようよろしくお願いいたします。

ご支援、ご協力ありがとうございました。
R0010837.jpgSocio Arte Kobe 2011の写真展に際し制作したビルエントランスのポスターには二つ謎掛けがしてあります。

このポスターに隠された謎を2つ解いた方には井本礼子さんのオリジナルプリントをプレゼントします。オリジナルプリント代は僕が個人的にサポートします。

TANTOTEMPOにやってきてSocio Arteの写真イベントに参加し、謎解きをして被災地を支援しましょう。

僕としても回答を寄せてくださるかたを楽しみに待っています。

それにしてもしゃれた謎掛けです、ホント。
R0010817.jpgR0010818.jpg
R0010834.jpg









R0010825.jpg
R0010815.jpg
R0010832.jpg










R0010830.jpg
R0010819.jpg
R0010842.jpg
R0010831.jpg













Socio Arte Kobe 2011が始まりました。

初日からたくさんの作品が販売され、スタートとしては上々だったのではないかと考えています。大雨の中オープニングからお越しいただいた熱心な写真ファンもいらっしゃって、本当に頭が下がる思いです。本当にご協力ありがとうございました。

人気の写真家から売れていくのだろうと考えていましたが、実際には幅広い、ご訪問くださったそれぞれの方の好みでお買い上げいただいた感もあり、今後どんな風に作品が売れていくのかも、支援額の大きさと同様大変楽しみです。

この震災復興支援という目的が形骸化せずに続くためには、仕組みとしての支援活動が必要だと考えていて、アートを通じた支援がある意味最も理にかなった支援なのではないかと思っています。つまり、義援金を募金箱にただ入れるという行為にはいつしか疲れと忘却がつきまとい、その行為自体はすたれていく可能性がある反面、アートというリアルに手に入るものと支援を組み合わせる方法はその行為にコレクター、アーティスト、ギャラリー(枠組み)と参加する人が多い分、とても参加しやすい支援のモデルになるのではないかと思うのです。アートを買うことで支援に参加し、作品を眺めることで支援に参加したことをポジティブに認めあい、また作品を災害と結びつけて記憶に留めていく、アーティストとしても社会参加をすることで作品の価値を問えるといういいエコシステムがあるのではないかと思います。

あと9日間。人気写真家から実力派、若手と作品への興味が広がって販売されることを祈っています。

皆さまのご協力をお願いいたします。


steps.jpgSocio Arte KOBE 2011がいよいよ今週末4月23日(土)から始まります。大変実績・実力のある写真家みなさんのものすごくレベルの高い作品がものすごい数届いていて、準備もままならない状態です。展示方法を含め、写真販売の具体的方法などもなんとか決定しましたが、とにかくいくつもの工夫が必要で、またチャリティーという性格上、作家のご厚意を消してしまうこともできず、身震いがするほど怖く、また祈るような気持ちでいます。

今回の大震災は、日本という国のそもそもの立地を含めて、社会のあり方、日本の政治や経済の真の力、人々の善意や社会参加の意識とその解釈、日本のメディアの特殊性、国家と個との関係性についての人々の考え、大量生産大量消費、知識人の知識の平坦化など、さまざまな問題を浮き彫りにしながら、復興への模索が続いています。

この1ヶ月の間、日本各地では様々なアートの支援策が開催され、それぞれに大きな支援を被災地に寄せています。それは大変すばらしいことで、大変心強く思えます。しかし予想したとおり、アートという構造がその構造の一体感を示すことにはついにならなかったと思います。日本にはそもそもアートの構造などなく、自律的でポジティヴなセクターがそれぞれのできる支援をそれぞれの思惑で行うという、きわめて日本的な対応をとりながら進むほかないわけで、TANTOTEMPOも言ってみればそのうちの一つ、というところなのでしょう。明日からTANTOTEMPOの出番となりました。精一杯作品を売り上げ、支援に参加しようと思っています。

Socio Arte Kobe 2011の最も大切なミッションはお金を作ることです。アートという価値あるものをアーティストから無償で提供していただき、それをアート、写真ファンにお買い上げいただいてお金に換え、被災地に送ることをミッションにしています。従って一枚でも多くお買い上げいただき、一円でも多くのお金を集めることだけを考えています。アートファン、写真ファンとしてギャラリーに来てくださる皆さまの意識にもこの点はあえて訴えておきたいと思っています。これは写真展ではありません。皆さまにご参加いただいて地震で壊れ津波で流された町の復興をお手伝いする壮大で生真面目なイベントです。ぜひお誘い合わせの上、ギャラリーにお越しになり、一枚でも二枚でも写真を買ってください。ご協力をお願いいたします。

ご参加いただく方法は以下の通り。

  1. TANTOTEMPOにお越しいただく
  2. 気に入ったイメージがあればご購入いただく/募金箱に募金をいただく
  3. 購入いただいた写真はお部屋に飾る
  4. TANTOTEMPOは皆さまのかわりに義援金を被災地にお送りする
  5. 東北の方々を支援する

どうぞよろしくお願いいたします。

R0010729.jpgTANTOTEMPOで開催されている徳平尚彦さんの写真展が好評です。連日たくさんの方が来廊され、一連の写真に漂う謎めいた雰囲気を楽しんでおられます。

写真という特性を考えた時、例えば街のスナップから撮影された時間や場所を推定することができるように、ある種写真の事前性・事後性、真実性を問いかけ、リアルなイメージの中の主体の抽出を試みている点で徳平さんの作品はおもしろいと思います。つまり、街の断片を切り取る作業には必ずと言っていいほどその街の分解と同時に街を再構築し解釈しようとする試みが付随し、そのこと自体が街を理解するきっかけになるのではないか、というコンテクストが込められているのだと思います。CRYPTOGRAMを直訳すると「暗号化」なのであり、記号化している訳ではないのです。抽出したイメージの中にどうしてその被写体が在るのか、という素直な疑問があり、全体として理解不能なモノに「何か意味がある」つまり「暗号化」されて解釈を試みるべきものが隠されているのではないか、という写真家のまなざしを向けるのですが、おそらく写真に読み取れる実際の意図は別のところにあると考えられます。都市は現在の日本ではあらゆる点で疲弊しているように見えます。高度成長期に建てられた団地やその周辺の都市構造は、中心部の華々しい輝きと異なり、年月と人々の勝手気ままな都市構築に翻弄され、現在はもはや都市としての魅力を発揮できなくなっているように感じられます。パリやロンドン、多くのヨーロッパの都市の光景には暗号を探すよりまずその街特有に歴史的な佇まいがあり、構造があることに誰もが気づかされます。ここ日本では、まず都市が衰退し、大きな予算を使って恣意的に再構築を試み、いつの間にかそれも廃れ、別の場所に注意が向けられ・・・。そういうことが続いていくように感じられます。徳平さんは、そういった人間の勝手気ままな都市の構造に焦点を当てているように思うのです。暗くコントラストの強いイメージ、何か意味不明な街角のサイン、それらがまるで都市の崩壊に伴ってその場所にマークされていく、そんな印象を受けるのです。

皆さんはどうお感じでしょうか。

徳平尚彦さんの写真展は4月17日までです。16日午後4時からギャラリートークを開催します。参加無料ですので、ぜひTANTOTEMPOにお越し下さい。

twitter

2011年10月

Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
Powered by Movable Type 4.1