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47CE0230-EBCA-4EDA-B058-CD83038D9CC4.png表題の写真展が今週末開催されます。多くの方がお出かけくださいますようお願いいたします。

インディアナ大学はオサム・ジェームス・ナカガワ氏が主導するワークショップの一環として参加、すべての学生のレベルの高い写真表現をご覧いただくことができます。

アメリカの表現、また日米の写真に対する認識の差異なども見ることができる展覧会となるはずで、とても興味深い写真展です。

会期が二日しかないこともあり告知しました。


6月24−25日
午前10時から午後6時
日本写真映像専門学校ホール1F

6月25日午後1時からクロージングパーティを開催するようです。

多くの方の訪問を希望いたします。
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去る6月2日からアメリカ、サンタフェで開催された写真イベント、ReviewSantaFeを訪問し取材を行ってきました。この写真のイベントは非常に高いクオリティの写真家が集まること、またレベルの高い写真の担い手が集まってレビューを繰り広げることで有名で、大変興味深い写真の枠組みです。

現在僕は、様々な国、地域の写真の構造を直接みること、またそれらがどのように社会に組み込まれ文化芸術に寄与しているのか、また各国のアート教育の現状を見るために世界各地を訪問し、著作の執筆を行っています。昨年もフランス、アルルを訪問、アルル国際写真フェスティバルを取材したのですが、今回はレビューサンタフェの訪問を計画、この枠組みを運営しているCENTERという組織に取材を申し込み、特別に許可されたため6月1日に日本を発ってアメリカ、ニューメキシコ州のサンタフェという町を訪問しました。

ニューメキシコはもともとインディアンの統治していた土地だったそうですが、スペインの統治を受けたりアメリカの西部開拓の流れの中でアメリカに組み込まれた歴史があり、サンタフェはその中でもとても古い町として発展しました。写真のような曲線を伴った土壁でできた建築物が特徴的で、一年を通して降雨も少なく非常に過ごしやすい土地です。主要な産業がアートと観光というだけあって、アートの取引規模は全米でNYに次ぐもので、従ってサンタフェの何処を歩いてもギャラリーがひしめき合っています。

アメリカではヒューストンなどの大きな写真の枠組みがたくさんありますが、レビューサンタフェは非常にユニークな運営をしていることで有名です。このレビューは、まず一次選考を通過するのが大変です。また、アメリカの主要な美術館のキュレータや著名ギャラリー、アートコンサルなどがレビューすることで非常に発展的に写真アートの最先端の活動に参加できる可能性があり、アーティストにとっても非常に挑戦しがいのある枠組みと言えます。さらに、レビュー自体はクローズドですが、オープンポートフォリオビューイングという一般公開の仕組みも持っていて、これがものすごいことになっていてとてもインパクトのある写真イベントでした。日本からはPhotographerHALさんとTANTOTEMPOでもおなじみの保坂昇寿さんがレビューを受けることのできる100人に選考されており、こちらも善戦は予想されたものの終わってみれば思いがけずの大活躍でした。僕はこの運営組織CENTERのトップへのインタビュー、またレビュアーや写真家からもいろいろ話を聞いており、MFAやBFA、各種グラント、ファンドレイジング、アート教育といった写真に関する思想やインフラの高さにただただ感銘を受けるばかりでした。しかし、日本の写真活動にもすぐに取り入れることのできる活動のヒントもたくさん受け取ることができ、大変有意義な訪問だったと思います。

このイベントの報告会を下記のごとく7月9日(土)午後7時から、TANTOTEMPOにて開催いたします。「スライドショーとムービーでつづるアメリカの写真の現実」と題したトークショーにぜひお越し下さい。
ゲストにベルギー在住の写真家、井本礼子さん、日本からこのレビューに参加されたPHOTOGRAPHER HALさん、保坂昇寿さんを迎え、彼らにもトークにご参加いただきます。
多くのご参加をお願いいたします。

題目:レビューサンタフェ「スライドショーとムービーにてつづるアメリカの写真の現実」
1.アメリカ在住の日本人写真家のスタジオ訪問(サンフランシスコ・兼子裕代さん)(杉山)
2.サンタフェの町と歴史、産業(杉山)
3.レビューサンタフェの概要(杉山・井本)
4.レビューの様子と日本人の活躍(杉山・保坂・HAL)
5.オープンポートフォリオビューイングと海外の写真家紹介(杉山)
6.写真のクラスとBFA、MFA(杉山・井本)
7.アート教育と写真(杉山・井本)
8.CENTERのディレクター、ローラ・プレスリーさんインタビューから見えるもの(杉山)
9.日本の写真への提案と計画(杉山・井本・保坂・HAL)
10.海外レビューに挑戦しよう(意識変革の必要性とその戦略)(杉山・井本・保坂・HAL)
(内容は予告なく変更の可能性あり)
日時:7月9日午後7時(午後6時50分開場)
会費:1,500円(ソフトドリンク、ビール、ワインなど1ドリンク、軽食付き)
TANTOTEMPOディレクターのうまうまカレーなど(変更の可能性あり)
追加ドリンク(300円/ドリンク)
ゲスト:海外で活躍している写真家・井本礼子さん、日本から参加した保坂昇寿さん、PhotographerHALさん
お申し込み:要:
event@tantotempo.jpまでメール、あるいは078−393−0810まで電話にてお申し込みをお願いいたします。


R0016316.jpgTANTOTEMPOでは、これまで写真を学ぶ神戸の学生を集めてアート教育の実践の可能性をいろいろ探ってきました。写真集を読んだり、実際に写真というアートについて、一枚の作品にこめられた作家の思いをどのように読み取るかを若い世代のうちから考えることで、作品の意味と価値を読み取るトレーニングをすること、それを写真の制作に応用することがとても大事だと考えているのです。

写真の価値を考えた時、多くの日本の写真家は自らの作品に芸術文化的な、あるいはコモディティーとしての価値を描くことができません。また、自分の作品の売りが何処にあり、何を軸に社会に問いかけているのかを明確に語れる写真家もとても少ないと思います。社会に問いかける、という厳しい評価軸に自分をおいて勝負をしていることが少ないからで、本質的に日本の写真は閉じた輪の中で漂っているようにしか見えないことが多く、これが写真に関わる人々の実に95%を占めると僕自身は考えています。

さて、インディアナ大学のオサム・ジェームス・ナカガワさんのクラスの学生が10名ばかり来日し、約3週間に渡り大阪をベースに写真のワークショップを受講、精力的に多くの写真活動をおこなっています。これに合わせ、神戸の写真を学ぶ学生8名とジェームスさんの学生スタッフ7名が写真を巡って意見交換をするワークショップを今朝TANTOTEMPOにて開催しました。

ワークショップはグループ演習の手法で進め、まずお互いの紹介を通じて打ち解け合うアイスブレーキングの時間を取りました。日米の学生二人ずつがペアになり3分間でおのおの自己紹介を行い、その後1分ずつ自分が話した相手の紹介をする「他己紹介」を行いました。神戸の多くの学生は英語にチャレンジして相手の紹介を行っていましたが、皆が物怖じせずよくがんばったと思います。

続いて日米の混成チーム二つにわかれ、それぞれに一冊写真集を与え、その写真集のイメージの中にあるあらゆる写真の要素や素材、断片を抽出して書き出すよう課題を出しました。発表者役を決め、書記、司会役をきめて、10分あまりで要素の抽出を行いました。つぎに、それらの要素のうち最も人々に強い印象を与える事柄をアートを構成するモチーフとして再構築するように促しました。これには15分をかけ、最終的に二つのチームがそれぞれ発表者によってその写真のアートたる理由を説明していただきました。

与えた教材は、Aチームは楢橋朝子氏の作品集「half awake half asleep in the water」、BチームはMassimo Vitaliの「Landscape with Figures」でしたが、それぞれの発表は文句なしの要点を得たものでしたし、Aチームは特に最近の津波被害の様子をひいて、いわゆる溺れることの恐怖という視点を楢橋さんの作品に加える非常にレベルの高いプレゼンテーションでした。

次に、ジェームスさんの作品"Kai"について、パーソナル(プライベート)な作品がどのようにしてアートの構造の中に組み込まれるかを、ジェームスさん自身が世界中のプライベートな作品を制作する写真家に焦点をあて紹介し、家族写真という構造の中にある被写体と撮影者の親密さ(intimate)こそが作品と観客の対話の糸口になる、との考えを話され、日本の最近の表現の内向きさの中にはこの親密さの提示がなく対話が成り立たないものがあるのではないか、という意見を述べていました

最後にジェームスさんによってインディアナ大学の学生たちが製作中のシリーズの紹介がスライドショーでなされましたが、ほとんどの学生がBFAあるいはMFAの経過中で、いわゆるアートの最も高等な教育を受けているだけあって、ものすごいレベルの高いアート性の高い作品を制作していたのが印象的でした。これには日本の学生も驚いたと思いますが、この差こそ私たちが今後埋めていかなくてはならない写真の構造の差異でもある訳です。ジェームスも言っていましたが、今日行ったワークショップは、アメリカではアートの基礎的な教育の中で繰り返し繰り返し行われるべき初期の教育だと考えられています。自分の作品で何を訴えたいのか、どう訴えるのか、どれくらいの価値があるのかを、グループワークを通じて認識していく方法は、お互いにクリティカルになれない相互依存型の写真の世界を構造する日本とは全く異なります。

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2時間半の非常に短い時間でしたが、特に日本の学生にとっては有意義で面白いワークショップになったのではないかと思います。ワークショップ後の茶話会では日米の学生が写真について話し合う目的通りのワークショップとなり、ジェームスさんもこういう機会はなかなかないから面白い、またぜひ機会を作ってやりたいね、と話されていました。参加された学生の皆さん、ジェームスさんとインディアナ大学の学生・スタッフのみなさん、おつかれさまでした。


DSC00113.jpg思い返せば2008年5月10日。TANTOTEMPO誕生のその日。

この時も雨が降っていて、ハービー・山口さんとギャラリー立ち上げにご尽力くださったBlitzGalleryの福川氏を出迎えに栄町通を傘をさして歩いていたのが昨日のことのように思い出されます。昨日も時折激しい雨が降る中、たくさんのハービーさんのファン、またTANTOTEMPOの活動にいろいろ参加してくださっている私たちの友人を迎えて、ハービーさんのトークショーを開催しました。3年というと長いようで短いようで、やはり長い日々でしたが、TANTOTEMPOが少しずつ成長してこられたのは良き写真家に恵まれ、たくさんの写真ファン、友人、また他の写真ギャラリーや関係者のご協力があったからだと実感します。アートや写真界隈のいい話題もそうでないと思われる事柄も、日々写真の勉強をしながら咀嚼し理解するしかない僕たちにとって、3年もよく続けてこられたな、と思いいる一方、経済的には決して楽ではない、むしろかなり綱渡り的な事情を抱えながらの日々である訳で、いろいろな思いが交錯することも確かです。しかし、写真というものはなぜか愛しくなぜか腹立たしいもので、とすると何やらギャラリーを育てていることが息子か娘を育てているかのようにも思えてきて不思議な気持ちにとらわれることもあります。もちろん、その息子あるいは娘は出来が良い訳はなく、相当な放蕩ぶりともいえるのですが、何か愛しいものである訳です。

ハービーさんのトークショーはいつも本当に驚かされます。集まってくださる方々の熱心さやリピーター率もそうですが、やはりトークのすばらしさが際立ちます。昨日のテーマは旅。今回の写真展はMy Journey, My Photographyと題したハービーさんの新しいシリーズの立ち上げでもあった訳で、ロンドンに渡ってそこからさらに旅を重ねていく若者の瑞々しくも甘酸っぱい世界観が十二分に見てとれるシリーズになっているその理由をユーモアたっぷりに話してくださいました。若者特有の「荒削り」なものは何もなく、あくまでも繊細に世界の感触や距離を手を伸ばして触れて計っているかのような、そんな作風のように感じられます。そしてそれが写真を撮る上での変わらないセンスによって美しく修飾されている、そんな写真の世界が今回の"Oil, Pride & Crisis"というコンセプトの上に描かれているのですが、トークショーではもちろん数々の撮影秘話が明かされて大変楽しいリズムのあるトークでした。日本写真協会賞作家賞を受賞されたことを会場全体が喜びを共有し、TANTOTEMPOでの写真展や兵庫県西脇市の西脇病院で開催されているARTinHOSPITAL/ART PROMENADE in 西脇病院の「ハービー・山口写真展」のことをご自身がFM放送の全国ネットで紹介されるなど、また東日本大震災の支援のためにSocio Arteや他にもたくさんの支援活動に参加されたことなど、ますます写真活動の中において写真家としての社会参加や写真のポジティブな表現について本当に多くの教唆をお示しいただいたトークショーだったと思います。いつも通り予定時間を大幅に越える2時間に渡るトークでしたが、会場の参加者の皆さまも狭くて蒸し暑い中本当に節度のある美しい姿勢でおつきあいしてくださり、主催者として本当に嬉しい気持ちでいっぱいでした。

今後の活動については、社会的にインパクトを与えうる若手の発掘を特にポジティブな表現に訴えるものの中から見いだすこと、またそれを海外へいち早く売り出すチャンネルを構築すること、国内や海外の主要な写真イベントの主催者へのインタビューをとること、海外進出を希望する写真家のとりまとめ事業、また僕自身の活動としてはARTinHOSPITALの活動をTANTOTEMPOの事業の柱に育てること、今年中に写真に関連する著作を書き上げること、などなど。直近の目標はレビューサンタフェの主催者への取材と若手写真家のポートフォリオ、写真集をアメリカやパリのギャラリーに持ち込むことなども実施予定です。

トークショー後は山田の作った手作り料理で50名あまりの参加者の皆さまとともにハービーさんの写真展のレセプション、またTANTOTEMPO3周年のお祝いを盛り上げていただきました。ひとの笑顔が途切れることなく、参加者一人一人と談笑され、即席のレビュー、撮影などたくさんの交流をされて久しぶりの神戸を楽しまれて帰られたのではないかと思います。TANTOTEMPOにとってもこの上ないすばらしいお祝いでした。参加者の皆さん、ハービー・山口さんにこの場をおかりして深く感謝申し上げます。

写真展は6月5日までです。ぜひTANTOTEMPOにお越しになってご覧ください。
R0016097.jpg5月1日、TANTOTEMPOにてSocio Arteの枠組みの緊急ギャラリートークを開催しました。

このギャラリートークは、震災後被災地で写真を撮影された写真家の鷲尾和彦さんがギャラリーを訪れてくださったことから急遽決まったギャラリートークです。被災地の現状をテレビなどのニュースで知るしかない私たちにとって、現地で撮影されたイメージを見ながら被災地に思いを届けるのはとても重要だと考え、この思いを鷲尾さんにお伝えしたところ、急遽ギャラリートークが決定しました。急な告知だったのも関わらず、当日会場にはたくさんの方が来てくださいました。

ギャラリートークでは、まず今回の地震および津波の被害状況について、被災地に入った写真家の立場から、鷲尾和彦さんがスライドショーを中心に写真で紹介していただきました。被災後しばらく経ってからの撮影とはいえ、生々しい被災地の様子が伝わってくるスライドショーで、参加者も息をのむシーンもありました。しかし、全体的に抑制がとれたわかりやすい写真が多かったと思います。現地に入った写真家の多くが抱く「被災地の写真を世に出していいのだろうか。出すのであればいつなのだろう。」という悩みについても鷲尾さんも率直に語っておられましたが、神戸で震災を経験した立場から、またギャラリーの立場として、あらゆるイメージが震災の記録という観点から重要であり、写真家として現地に入ったのであればどのようなシークエンスも発表の義務と責任を負うとの意見を述べました。被災者への配慮、という考えは必要だけれど、真実への訴求は緩めてはならないというのが僕自身の考え方であると伝えました。

次に、神戸の震災の体験から、都市型の震災と今回の津波被害との違いや復興への困難さについて会場で意見を共有しました。特に、人々が多く住み暮らしと産業が周辺に適度に分散した都市の震災と、暮らしと産業が一体化している今回の被災地の状況とがまるで異なっていることを鷲尾さんの写真からひもときながら考えてみました。結局のところこの街を離れることのできない人が行政の関与と自身の努力でカバーしてきた神戸と、被災の状況も復興も構造が根本的に異なるのではないかとの意見で、やはりこのような災害に対する支援を考えた場合もっとも必要なことは、忘却と疲労への対策だと思います。

大きな被害についてはどうしても国主導の復興支援が必要不可欠で、とすれば国民の税金が被災地に投入されるのはやむを得ない訳ですが、神戸を例にとるとあらゆる人の暮らしの断片について税金の投入ですべてがまかなわれると考えるのには無理があります。まず必要最小限の生活から、次にインフラや大きな産業から復興というものはなされていって、文化や芸術がつい遅れるなど、やはり力関係によって差がつく可能性がある訳です。

人は社会との関係性によって、その活動を文明として発展させてきました。本来ひとはちっぽけな動物に過ぎない訳ですが、文明社会への参加をすることで人類は未来への礎を築いてきました。3つ目のセッションでは鷲尾和彦さんの代表作「極東ホテル」(赤々舎)をスライドショーにて拝見しました。この写真集は、まさに文明の澱みのような場所にたたずむ人びとを写真家独特のまなざしで撮影した優れた写真集だと思います。独特のまなざしとは、突き放すでも寄り添うでもない、極めてニュートラルな距離感でホテルの逗留客を撮影している視線です。鷲尾さんの「極東ホテル」のスライドショーを見た私たちは、私たち一人一人がちっぽけであることを思い知らされると同時に、何らかの立場でこの世に参加していることを再確認します。孤独であってもなくても、私たちは社会に組み込まれているそのことから逃れることはできません。普段の暮らしにおいて社会に参加する意識をもつか持たないかは各自が自由に決めるとしても、誰かが苦境に陥ったことに対して責任のある立場で問題解決に参加することの重要性は、今回の震災とその復興でよりはっきりと意識する必要があるように感じられました。「極東ホテル」には孤独と同時につながりが描かれているのです。

最後のセッションは、被災地への義援金や文化芸術、教育に対するほんの小さな支えをアートや写真界隈から捻出しようというのがSocio Arteの枠組みについての説明とステートメントの確認です。震災当日の夜から明け方にかけて構想を練り、翌朝から動き出して早々に募金箱を制作、活動をすすめてきましたが、たくさんの方が賛同くださって一通り形になるには時間と大きな労力がかかるだろうことは容易に想像がつきます。なぜならアートにはまとまってある問題に構造をあてて解決するといった場や方法がなく、それぞれがばらばらに支援をするしかないのが実情だからです。Socio Arteの目論みは、まさにこの点に焦点をあてて緩やかでも構造をあてて考えてみたいという意思表示であったのですが、いろいろなアートの担い手に問いかけたもののやはり難しいだろうというのが大方の見解でした。しかし、僕自身は難しいとは思っていません。参加を通じて構造を作ることほど現代の日本に必要なものはないと考えるからです。

Socio Arte Kobe 2011のステートメントは以下の通りです。

  • 私たちは東日本大震災の悲しみを決して忘れません
  • 私たちはアートの価値を高め、日常の暮らしに根ざしたアートの活動がかなうよう日々努力します
  • 私たちは制作したまたは手にした作品を愛なで、日々眺め、被災地を思います
  • アートに参加する私たちアーティスト、枠組み実施母体、作品購入者は、アートを通じて被災地に長く大きな支援を届けます

Socio Arte Kobe 2011にご参加くださりありがとうございました。
どうぞ今後ともよろしくご支援をくださいますようお願いいたします。

R0016084.jpg大変遅くなりましたが、4月23日に開始しましたSocio Arte Kobe 2011東日本大震災復興支援チャリティ写真展が5月3日無事終了いたしました。

結果的に内外32名の写真家からお預かりした写真プリントのうち、ちょうど100枚を売り上げ、期間中TANTOTEMPOにて募金箱にて得られた義援金と併せ総額¥833,292の支援金を得ることができました。期間中、本当に多くの写真ファン、アートファンが訪れてくださり、当初は人気のある写真家の作品を中心に、後半はまんべんなく買いがあり、結果的に10日あまりに100枚のプリント販売を通じて大変大きな額の支援がかないましたのでご報告いたしますとともに、ご協力くださいました皆さまにこころより感謝申し上げます。

Socio Arte Kobe 2011という枠組みでの写真アートからの支援はこれで一旦集計し、5月中旬をめどに二分割し日本赤十字社、ジャパンプラットフォームにそれぞれ義援金をSocio Arte名義にて送ることにしています。これらの支援は写真家の皆さん、アートや写真をこよなく愛する賛同者の皆さまによって、また私たちSocio Arte Kobe 2011の実行者の3者が力を合わせて得ることができたものと考えており、かつて大きな被害を受けた阪神淡路大震災の被災地としての立場から早々に表明して立ち上げたSocio Arteのアートからの被災地支援プログラムの趣旨に基づいてご賛同いただいたすべてのかたの意思として被災地に届けられるものと考えており、本年の留まらずさらに大きな枠組みに育てながらより視野の広い、長いスパンで支援できるプログラムにしようと考えております。

どうぞ引き続きSocio ArteまたSocio Arte Kobeの活動にご支援をいただきますようよろしくお願いいたします。

ご支援、ご協力ありがとうございました。
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖巨大地震とその津波による被害は、16年前に巨大な地震に襲われて大きな被害を被った神戸に住む私たちにとっても非常に衝撃的でした。政治や経済の混迷で不安な未来を抱えている私たちは、相次ぐ地震の被害に、実生活という現在のリアルな場においても決して災害が自らと無縁ではなく、震災列島に居を構える民であるという覚悟を決めて生きるしかないという事実を思い知らされるのです。

神戸の、世界にも例を見ない自然の猛威の被災地としての地位は、16年後の今日東日本のそれに取って代わられ、また東日本もいつかどこかで発生するより大きな自然災害によって取って代わられる、こんなサイクルが今後も成立することはほぼ間違いないわけで、とすれば私たちは過去の負債を清算するどころか、未来に向けた巨大な保険をかけて生きていかなければならないということになるのです。そのために払うべき膨大な努力のことを考えると、あきらめにも近い気持ちに陥ってしまうのです。その膨大な努力とは、地震や津波に強いインフラを整備し、また災害に強い都市計画を立案し、災害が起こった際の復興に充てられる資金を常にまた大量に用意することです。しかし、この国はすでに巨額の累積財政赤字をかかえ、赤字国債を乱発するにしても、負の遺産を多くの子孫に残す他に道はない状況です。この状況を打開する唯一の方法は、人々がそれぞれの持てる力をこころよく出しあって社会に奉仕することしかありません。それは政治に参加して安定した政権を作ることや、経済の停滞に耐え低コストで慎ましやかな生活を実行すること、さらには国家の安定と繁栄に覚悟をもって参加することであるはずです。浮ついたメディアを一喝し、アマチュアリズムがはびこる世相をこそ、正しながら歩みを進めるしかありません。

誰かが必ず責任を取らなければならないことを前提とする社会は、誰もが参加し責任を共有して集合和から解決策を見いだす社会とは明らかに異質です。誰かが必ず責任を取らなければいけない社会のメンタリティーとは、結局のところ大量の責任を負いたくない人たちの存在を認め不参加に追い込んで社会の構造を骨抜きにし、多くの苦労を一部の人たちだけに負わせ責任を押し付けるきわめて危うい社会と言えるのです。この国はあらゆる局面で社会のシステムや人々の社会参加の方法自体を考え直さないといけない時期に来ているのではないかと思われます。

このような国に私たちは住んでいます。

Socio Arteは枠組みです。ここに参加する人たちは自らの意思でここにいます。誰も強制することなく、ただ参加しています。より多くの方が参加していただけるよう、5月1日(日)午後4時からギャラリートークを開催します。

第一部 写真家の見た東日本大震災
兵庫県出身の写真家鷲尾和彦さんが、被災地に入り撮影した写真を公開。津波などの被害を追体験しながら被災地の悲しみと恐怖を共有します。(担当:鷲尾和彦さん)

第二部 神戸は復興したか
阪神淡路大震災の際、被災地の中心地の大学病院で壮絶な医療活動に携わったTANTOTEMPOディレクターが、神戸の震災からの復興の過程を紹介、会場から震災体験をインタビューし、復興につなげるべき支援の要点を話し合います。(担当:杉山武毅)

第三部 「極東ホテル」に見るひとの存在の尊さ
写真集「極東ホテル」に見える人類の多様性、ひとの存在の小ささ、また世界の一構成員としての大きさから、社会に今後どのように関わればいいのか、という問いかけの回答を模索します。(担当:杉山武毅、鷲尾和彦さん、会場)

第四部 神戸からのメッセージ・みんなに伝えたいこの気持ち
東日本大震災翌朝に神戸から立ち上がったSocio Arteの活動をして、今後どのようなメッセイージを発信するか。その基本的なステートメントを検証し、全国、被災地、全世界に向けて発信します。

参加無料 お申込不要です。ぜひ皆さまにお越しいただきたいと思っています。
R0010837.jpgSocio Arte Kobe 2011の写真展に際し制作したビルエントランスのポスターには二つ謎掛けがしてあります。

このポスターに隠された謎を2つ解いた方には井本礼子さんのオリジナルプリントをプレゼントします。オリジナルプリント代は僕が個人的にサポートします。

TANTOTEMPOにやってきてSocio Arteの写真イベントに参加し、謎解きをして被災地を支援しましょう。

僕としても回答を寄せてくださるかたを楽しみに待っています。

それにしてもしゃれた謎掛けです、ホント。
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Socio Arte Kobe 2011が始まりました。

初日からたくさんの作品が販売され、スタートとしては上々だったのではないかと考えています。大雨の中オープニングからお越しいただいた熱心な写真ファンもいらっしゃって、本当に頭が下がる思いです。本当にご協力ありがとうございました。

人気の写真家から売れていくのだろうと考えていましたが、実際には幅広い、ご訪問くださったそれぞれの方の好みでお買い上げいただいた感もあり、今後どんな風に作品が売れていくのかも、支援額の大きさと同様大変楽しみです。

この震災復興支援という目的が形骸化せずに続くためには、仕組みとしての支援活動が必要だと考えていて、アートを通じた支援がある意味最も理にかなった支援なのではないかと思っています。つまり、義援金を募金箱にただ入れるという行為にはいつしか疲れと忘却がつきまとい、その行為自体はすたれていく可能性がある反面、アートというリアルに手に入るものと支援を組み合わせる方法はその行為にコレクター、アーティスト、ギャラリー(枠組み)と参加する人が多い分、とても参加しやすい支援のモデルになるのではないかと思うのです。アートを買うことで支援に参加し、作品を眺めることで支援に参加したことをポジティブに認めあい、また作品を災害と結びつけて記憶に留めていく、アーティストとしても社会参加をすることで作品の価値を問えるといういいエコシステムがあるのではないかと思います。

あと9日間。人気写真家から実力派、若手と作品への興味が広がって販売されることを祈っています。

皆さまのご協力をお願いいたします。


steps.jpgSocio Arte KOBE 2011がいよいよ今週末4月23日(土)から始まります。大変実績・実力のある写真家みなさんのものすごくレベルの高い作品がものすごい数届いていて、準備もままならない状態です。展示方法を含め、写真販売の具体的方法などもなんとか決定しましたが、とにかくいくつもの工夫が必要で、またチャリティーという性格上、作家のご厚意を消してしまうこともできず、身震いがするほど怖く、また祈るような気持ちでいます。

今回の大震災は、日本という国のそもそもの立地を含めて、社会のあり方、日本の政治や経済の真の力、人々の善意や社会参加の意識とその解釈、日本のメディアの特殊性、国家と個との関係性についての人々の考え、大量生産大量消費、知識人の知識の平坦化など、さまざまな問題を浮き彫りにしながら、復興への模索が続いています。

この1ヶ月の間、日本各地では様々なアートの支援策が開催され、それぞれに大きな支援を被災地に寄せています。それは大変すばらしいことで、大変心強く思えます。しかし予想したとおり、アートという構造がその構造の一体感を示すことにはついにならなかったと思います。日本にはそもそもアートの構造などなく、自律的でポジティヴなセクターがそれぞれのできる支援をそれぞれの思惑で行うという、きわめて日本的な対応をとりながら進むほかないわけで、TANTOTEMPOも言ってみればそのうちの一つ、というところなのでしょう。明日からTANTOTEMPOの出番となりました。精一杯作品を売り上げ、支援に参加しようと思っています。

Socio Arte Kobe 2011の最も大切なミッションはお金を作ることです。アートという価値あるものをアーティストから無償で提供していただき、それをアート、写真ファンにお買い上げいただいてお金に換え、被災地に送ることをミッションにしています。従って一枚でも多くお買い上げいただき、一円でも多くのお金を集めることだけを考えています。アートファン、写真ファンとしてギャラリーに来てくださる皆さまの意識にもこの点はあえて訴えておきたいと思っています。これは写真展ではありません。皆さまにご参加いただいて地震で壊れ津波で流された町の復興をお手伝いする壮大で生真面目なイベントです。ぜひお誘い合わせの上、ギャラリーにお越しになり、一枚でも二枚でも写真を買ってください。ご協力をお願いいたします。

ご参加いただく方法は以下の通り。

  1. TANTOTEMPOにお越しいただく
  2. 気に入ったイメージがあればご購入いただく/募金箱に募金をいただく
  3. 購入いただいた写真はお部屋に飾る
  4. TANTOTEMPOは皆さまのかわりに義援金を被災地にお送りする
  5. 東北の方々を支援する

どうぞよろしくお願いいたします。

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