Diaryの最近のブログ記事

R0015116.jpg7月30日、北野・ヴァンヴィーノにてアルル訪問の報告会を開催しました。

当日、多くの方に参加いただきましたが、おいしいイタリア料理とワインを楽しみながらの会となりました。ご参加いただきました方々、ありがとうございました。

まず甲南女子大学、馬場伸彦先生が旅の間に撮影した写真を紹介してくださいました。アルルに行った3人の中で唯一デジタル一眼レフをもってこられ精力的に旅の写真を撮影しておられたのですが、人物や風景などを150枚程度にまとめて音楽付きでスライドショーしていただきました。その後で「アルル写真の出会い」というイベントを、特に招待国である「Argentina Trail」、ロックの時代の写真「The Rock Trail」、そして「The Film Photography Trail」という3つの方向性について、解説していただきました。特にフィルム写真が衰退する中、もはや写真はカラーの時代である、と説明され、凝った演出を駆使して表現されるアルゼンチンの写真家の作品を取り上げたり、スターをモチーフにした80年代のロックシーンから数多くの優れた写真が生み出されていった背景などが紹介されました。

続いて、馬場先生と僕とで一般の参加者にもわかるように写真の歴史やアルルという町に少し触れ、アルル写真フェスティバルの一連の写真の枠組みを、"Heavy Duty & Razor Sharp"というメインコンセプトと6つの"Trail"という方向性で読み解いてみました。

Arles_img01.003.jpg
"Heavy Duty"というのは、頑強とか真剣と読み取ることもできますが、僕は多くの手数をかけて作り上げた、努力の上に積み重なった作品だと読み取りました。実際、展示された作品には気楽に作られたと思えるようなものはいっさいなく、その制作過程が大変だっただろうと思えるものばかりでした。また"Razor Sharp"とは、カミソリのように切れ味のある、ということですから、エッジの効いたとんがった作品と読めると思います。つまり、これからの写真の潮流は、やはりかなり趣向を凝らして練りに練られた誰も見たこともないような写真になっていくことは間違いありません。それは"Change Over Trail"というコンセプトで紹介されていた中堅以上の写真家と若手写真家の作品の対比でも見事に示されていました。若手写真家をセレクトしているTrailでは、もはや従来の写真の体をなしていない作品が大変多かったと思います。インスタレーション、角度によって見える画像が違って見える懐かしいが新たな写真、不定形にカッティングされた写真、壊された写真、映像などなど。従来の写真をイメージして見てみるととても理解できない構造のものが普通の「写真的な構造」と並列して並べられているさまは、かなりショッキングな風景です。オモチャのようにもふざけているだけのようにも、からくり優先でストーリーがないかのような作品もあり、混乱するのです。

アルルのディレクターである、フランソワ・エベルさんのインタビューでもその点を確認することができました。
「世界の写真の潮流はどこに向かっているのですか?」という問いかけに、エベル氏は質問の意図を読み取って
「『写真は死んだ』と毎年多くの意見が寄せられてくるけど、実際写真は今混乱しながらも新しい出口を見つけようとしているんだと思う。新しい表現は必ず出てくるし、それがいわゆる写真的なものではなくても、写真という素材を丁寧に使って構成するものであれば写真として扱うしかないと考えているんだ。」
僕は
「そうすると、人々は、一般の人は混乱しますよね。」
「そうだね、だから我々はここアルルでそれぞれが一連の進化によってつなげられているものであることを示す必要があるんだよ。」エベル氏は次のように続けました。
「'87年にアルルで取り上げた"Rock Trail"なども写真の従来の概念をことごとく壊すことになったきっかけでもある。Rockというメディアによってそれ以前の写真が変革するよう求められたんだ。」

"Rock Trail"が1987年に開催された時、パンクロックをはじめとするバンドの撮影をしていた写真家は、ロバート・メイプルソープやパティ・スミス、アニー・リーヴォヴィッツなど、「撮っていけないものなんて何もない」ことに気づいていたと思われます。ロックシーンを撮影した写真は、音楽雑誌やメディアにより世界中に配信され、多くの若者の賛同を得ることに成功する訳です。それは普遍性や美のみを価値としていた従来の写真界を真っ向から否定し、センセーショナルでむき出しの生や社会の表や裏の世界、スターの生き様や個人の性生活ですらテーマになり得ることを示した訳です。

報告会では、その他にもアルルで出会った写真家のポートフォリオレビューのレポート、アルルで日本の写真活動が全くと言っていいほど取り上げられなかった現状について議論しました。日本人の中にもポートフォリオレビューからフランスやポーランドで個展が決まるといった高い評価を受けた写真家がおられた反面、写真の潮流を読み取れないばかりに苦戦を強いられる写真家も多くおられたと思います。日本の写真全体について、エベル氏自身がやはりその沈降を認めていました。エベル氏は中国や韓国、タイやベトナムの写真活動が盛り上がっている結果、相対的に日本の存在感が薄れているのではないか、との考えを述べていました。エベル氏は中国の写真イベントのディレクターを担うなど、ヨーロッパにアジアの中でも中国重視の考え方があることを示唆していました。パリフォトでも10年以上参加していた日本のギャラリーがポジションを失うなど、少し心配なところです。

世界の写真界全体で見ると、コンテンポラリーアートの領域からも従来の"写真的な写真"は消えつつあると言います。「写真は死んでいない」と強調するエベル氏の脳裏には、写真的なものを"Film Photography Trail"でざわざわ保護的に扱わざるを得ない苦悩も見て取れ、5年前から会期を学校の新学期に合わせて延長させることで教育プログラムにも意欲を見せるなど、新たな写真の潮流の浸透に非常に神経を使っていることがうかがえました。アルル自体も一昨年からコミッティーのプレジデントが代わり、全体の構成や予算構成なども大幅に刷新されていると聞きます。ヨーロッパにおいて写真の存在感が低下することへの懸念は、日本でそう言われていることの懸念とは比べ物にならないと思われ、新しい技術、新しいメディア、新しい表現を巡るあらゆる可能性について、写真としてくくって擁護していこうという考えが明白です。

日本についていえば、やはり世界の中で取り残されないかという懸念がある訳で、その点についても報告会で取り上げました。個々の写真活動がそれなりに評価されていく日本的なシステムは決して悪い訳ではないけれど、いわゆるたこ壷化は顕著で、マーケットがごく一部の写真活動に限られている以上、全体として世界的なのアートのシステムに乗りにくいことは明らかです。日本の写真がカメラで表現することを愛する非常に多くの人々に支えられていることは明らかですが、カメラ資本やプリンタメーカのコンテストなどが唯一のチャンスであり、ステップアップの経過から組織的に引き上げていくようなアルルのような枠組みはまだ機能しているとは言えないと思います。日本で写真イベントが今後国際的に開かれた優れた写真の枠組みに育つためには、学校教育に入り込んだり、日本各地の幅広い層の写真活動を網をかけて有機的に評価して見ている必要があり、レビューによる写真家の評価基準やレビュアーの適格性、ビジネスとのリンクを考えた出会いの場の提供、世界の潮流と日本の考えや方向性を示す文化学術的なセミナーやワークショップ開催などが必須です。加えて、一般市民をはじめ写真家やギャラリー、出版、学術や企業、写真イベントそのものがゆるやかにリンクする写真文化を巡る新たな思想が必要なのではないかと思います。

R0011490.jpg
日本人のレビューについて、日本人の写真家がポートフォリオレビューで持ち込んでいた写真で僕自身が驚いた写真はやはり高い評価を受けていました。僕のようなまだ写真活動を始めて3年あまりの人にも説得力のある写真、面白い写真は、誰が見ても面白い訳です。本間さん(写真右下)は東京の写真家ですが、銀箔を貼付けたキャンバスに写真を特殊なインクを用いてプリントする手法で非常に高く評価されていました。新しい紙を開発したかのような驚きがある訳で、彼にしかできないシステムを構築して高い評価を受けていました。"perfect!"と評されていたといいます。このように誰が見ても驚くような写真、評価されていることを納得できる写真を撮ること、あるいは写真を使って新しいメディアを作ってしまうこと。これが国際的な潮流に立ち向かう唯一の方法であると言えると思います。

最後に、"center of photography "と僕が問いかけた写真的な写真について、エベル氏は相対的に地位が沈んでも歴史的には担保されていくだろう。そういう写真を撮り続ける人はずっといると思う、と語っていました。写真は拡散して価値創造を求める新しい表現と、従来の古典的手法とに分断されて存続していくのだろう、というのがエベル氏の考えだと思います。

TANTOTEMPOとしても今回のアルルの旅はギャラリーの方向性を決める上で非常に重要なものとなりました。個々の写真家の表現を見ていくこと、いろいろな表現を社会に見せることは大変重要ですが、それよりも写真の社会学、写真の構造について学ぶことが日本では急務ですし、今後求められていくと思います。文化予算などもどんどん削られていく中、日本の存在感が文化において世界の文化の中に決して沈まないように再構成する力は、すべての文化の担い手や愛好者が一致団結してつけるほかはないと確信的に思いました。

なお、アルル報告会はもう一度ギャラリーにて開催予定です。現在日程などを調整中です。多くの方が参加していただけるように考えています。また、こちらはUst配信なども検討していきます。

R0011981.jpg7月24日、Carlos Jurado写真展が始まりました。Carlosはメキシコ人の写真家ですが、スペインと日本で写真教育を受け、現在東京在住です。

イメージは、とても静かな風景写真で、海岸線や雪原を主としたモノクロの写真です。長時間露光が醸し出す水面の鏡面や雲の動きのあるイメージですが、大変美しいイメージです。今回展示に使用したプリントはインクジェット作品です。

23日から神戸入りし、展示と食事会、昨日の25日にはトークショーを開催しました。非常に静かな人柄ながら写真に関する熱意は高く、また日本語が在日年数が6年程度であるのに堪能です。日本語で書籍が読めるとの話にみんな驚いていましたが、もともと音楽を志していたものがいつしか写真家になるという変化について、話していただきました。音楽と写真アートの共通性、写真に含まれるコンチェルトのような響きや静寂について、自身の考えを語ってくれました。特に、スライドショーには日本人の音楽家による雅楽を許諾を得て使用しており、自身のイメージに如何にマッチして見えるかを示していました。

R0012003.jpg
Carlosはもともと大阪の日本写真映像専門学校の出身で、外務省の海外アーティストへの奨学金制度を利用して留学されたとのこと、TANTOTEMPOへはOffice AURACROSSという浅田政志さんなど写真家のマネージメント・ギャラリー運営をされている前田龍央さんからの勧めもあって知り合いました。イメージについては、競争率の大変高いステディーな風景のモノクロ。例えば、マイケル・ケナなどと共通するイメージかと思います。その点についてもトークショーではあえて話題にしましたが、Carlosの場合は直接Kennaに会いにいき、「自分のイメージは似ていると思うか?」と問いかけたとのことです。Kennaは即座に「ちがう、君のイメージは模倣ではないしいい写真なので続けるべきだ」と答えたとのことです。グレイスケールの使う幅や緻密さはKennaと全く違うことは見ればわかると思っています。

Carlosは8月に日本を離れメキシコに帰国することになっています。写真展が終了する頃にはメキシコに戻っている、という何とも不思議なタイミングですが、いろいろ忙しい中を準備していただいたようですので、無事の帰国とメキシコでの活躍をお祈りしていようと思っています。日本に自由に出入りできるアーティストビザの取得にも成功したみたいですので、またいつでも戻ってくるよ、と昨日食事の後神戸の喧噪の中に消えていったCarlosでした。
R0011007 (1).jpgDaniel Machadoさんの写真展が始まりました。

スペイン、バルセロナで大きな仕事に携わっておられたMachadoさんですが、今回の個展のために駆けつけてくれました。しかも、ウルグアイのご実家からお母様を呼び寄せての関西ご訪問で、昨日お母様にもお目にかかりましたが、Danielさんはお母さま似であることがわかりました。昨日は簡単なお食事会を開催しましたが、本格的炉端をご経験いただき、楽しんでいただいたかと思います。2週間ばかり、関西を中心に滞在されるようです。

R0011008.jpg
さて、今回の写真展は二つのポイントがある写真展です。ひとつはMachadoさんがもともと建築学専攻であることから、建築学的な構成を重視した写真展であること、もうひとつはウルグアイという国が現在置かれている状況に言及しようと試みていることです。美しくないと評価されない、インパクトが重視される現代のアート写真の流れのなかにあって、しっかりとコンセプトを描きながら構築されていく写真はますます貴重になっていくと思います。

Daniel Machado写真展"Miguelete Jail House"をぜひTANTOTEMPOでご覧ください。

なお、下記要領でギャラリートークを開催します。こちらもぜひご参加ください。

Daniel Machado写真展ギャラリートーク
7月17日午後5時から
参加無料 お申込先着25名様
R0010964.jpg井本礼子さんの写真展が無事終了しました。

神戸出身、ベルギー在住の写真家、井本礼子さん。TANTOTEMPOは開設2周年を記念する写真展を井本礼子さんに依頼しました。実はこれは2008年にパリフォト会場でお会いした時から構想にあったことなのです。井本さんの表現は独特で、手法とテーマが見事に一致して確固たる世界観を呈示していることが高く評価されており、神戸にゆかりのある写真家として企画を進めていくのは自然なことだったと思います。

彼女の作品は、実直な性格がまさにそうさせるかのように、品格を作品に織り込んでいくように紡がれているように思います。どの作品も、モチーフは日常の風景なのですが、撮影の段階のちょっとした作為によってイメージを故意にゆがめているのが特徴で、それが独特の雰囲気を醸し出すのですが、作為やいやみが全く感じられずあくまで品のある構成がなされていくのです。

夢という表現しにくいテーマを描き、ちょっとした工夫でこの視覚的体験を、うまく伝えているところが井本さんの想像力と創造力の勝利なのだと実感できる写真展でした。

期間中、5月29日に写真展のギャラリートークを開催しました。井本作品がスライドショーにて紹介され、友人である音楽家の手による音楽にのせて映像としていくつものシリーズが紹介されました。特に、カメラを手にしてすぐに撮影したという初期の作品には優れた作品があり、井本さんの作品の力量がこのあたりに起源があることがよくわかりました。また、未来にわたって制作されるシリーズとしての新しい作品も紹介され、いずれも大変印象的なシリーズで、今後の活躍が大変楽しみです。

写真展全体を見ると、驚くべき集客力でした。ほとんど欠かさずに毎日在廊し、自ら率先して接客するなど、プロフェッショナルとしての身のこなしがあり、多くの来廊者が感銘を受けていました。その結果というべきか、10点以上の作品が販売され、用意した写真集も早々に売り切れるなど、TANTOTEMPOにとっても大変高く評価のできる写真展となりました。

TANTOTEMPOとしては井本さんの今後の活動を応援したいし、いつか違ったシリーズで再び写真展を開催できれば、と考えています。

今後のご活躍を期待したいと思います。
R0010859.jpg井本礼子さんの写真展がいよいよ今週末終了します。

これまで大変多くの来廊者が訪れてくださり、特に週末は大変な活況です。井本さんをたずねて東京などからも多くの方が来てくださり、井本さんご自身も在廊される時間が長いため、写真に関連して多くの時間を談笑されて過ごされておられます。

若い写真家が自分の作品の評価を求めて井本さんに見てもらったりしている姿もありました。

そんな井本礼子さんの写真展、"DREAMSCAPES"もいよいよ今週末で終了します。作品も既に9点ばかり販売されており、評価も大変高いものがあります。作品のまえにたたずみ、イメージをじっくりと眺めて思索に耽っておられる来廊者の方々の姿が目だちます。

トークショーも大変好評で、トークショーに参加された方が写真集や作品をお買い上げいただくケースも多くあり、井本さんの高い写真活動をまさに支えようという動きが生まれたことは大変喜ばしい限りです。用意した写真集はすべて売り切れてしまいました。

トークショーの様子は、以下のリンクからご覧いただけます。

http://vimeo.com/12220427

井本礼子さんの"DREAMSCAPES"は今週末、6月13日(日)までとなっています。まだご覧になっておられない方は、ぜひTANTOTEMPOにお越しください。
R0013953_1.jpg井本礼子さんのギャラリートークが昨日、予約でほぼ満席なのに当日参加もあって盛況に行われました。

まず井本礼子さんとギャラリーとの出会いについてギャラリーから紹介させていただきました。井本礼子さんと初めてお会いしたのは、2008年のパリフォトの会場です。写真出版社の冬青社のブースに高橋社長を訪れたとき、紹介していただいたのが縁です。神戸出身ということ、写真表現がある美学に貫かれていることなど、高い写真活動を拝見していずれはTANTOTEMPOで写真展を企画しようと考えていました。2周年企画との連動はこういった流れで決まったもので、その経緯についてお話しいたしました。

続いて井本さんが現在の写真活動に至るまで、日本国内やベトナムの慈善活動に際して撮影した写真や、日本を離れてロンドン、アメリカで写真を学び本格的な写真活動に入る前にコンパクトカメラで撮影した写真などが紹介されました。実はこの中に非常に印象的で強いスナップやポートレイトがありました。写真としての質も大変高く、この頃から既に写真についての知識や美学が習得されていたという事実にまず驚かされました。日本を離れた理由も含め、ロンドンの街頭でデッサンを続けていた時代があったなど、面白い逸話も紹介されています。また、ロンドンでの写真活動にある種の限界を見て取った井本さんはアメリカにて写真をさらに追求し、現在居住しているベルギーに渡ります。このベルギーにわたって直後にポーランドで個展の誘いがあり、現在TANTOTEMPOで開催しているDREAMSCAPEのシリーズの原型が出来上がるのです。

その後に上映されたビデオムービーは大変示唆に富むものでした。製作中の作品シリーズを含め、現在展開しているすべてのシリーズについて、友人の音楽家たちが演奏した楽曲にのって紹介されていきました。基本的な作品作りの丁寧さとモチーフの使い方の妙は井本さんの真骨頂ですが、それらが映像と音楽という写真にとどまらないメディアに出力されたものとして表現されており、興味深い作品でした。

上映後、会場からの質問にお答えいただきました。日本の写真(写真家)とベルギーの写真(写真家)とのちがい、多くの写真がある中からあるシリーズを構成する時に困難を感じないか、など、質問がありました。それに対し、日本の美術教育に触れ日本のアーティストの特徴である恥ずかしがり屋、厳しい意見を言わない、求めないなどの性質の違いがあるのではないかとの意見がありました。また、写真のセレクションの作業は楽しい、と応えておられました。写真の文化的位置づけ、アートマーケットについても話していただきました。

井本さんは、最近は若手の写真家の写真活動を応援する活動として写真ポートフォリオレビューなどを行うなどしています。優れた才能があればベルギーで展示する機会を設定するなど、すでに何人かのセレクションが終わっているようです。

井本さんの写真展は清々しい季節と重なって驚くほどの集客を見せています。

井本礼子写真展は6月13日(日)まで。ぜひ、ご覧ください。

なお、この写真展の様子はiPhone/Ustream版は
http://www.ustream.tv/channel/tantotempo
でご覧いただけます。

HD版は
http://vimeo.com/user3506792/videos
で配信される予定です(日時未定)。

R0010870.jpg井本礼子さんの写真展が大変好評です。連日、週末にもなるとたくさんの方が訪れてくださり、カフェもギャラリーも大変にぎわっています。

今日はあいにくの雨ですが、それでも熱心な写真ファンの方がギャラリーにこられています。

井本さんも忙しい中、今回の写真展期間中は神戸にとどまって、多くの日を在廊してくださっています。メインギャラリーでたくさんの方と精力的に会話され、また売り込んでもおられます。非常に熱心に作品などについてお話しされる様子が印象的です。井本さんの作品は銀塩モノクロームの写真です。基本的にはヨーロッパの建築や室内空間、路地裏を撮影場所に、印象的な1つか2つのモチーフを登場させ、まるで夢の中にいるかのような心象風景のストーリー形づくっていきます。3連作品は大変印象的で、まるで夢の断片が脳裏に迫ってくるようなインパクトがあります。
R0010872.jpg
ぜひご覧ください。

井本礼子さんのギャラリートークも5月29日(土)午後4時から予定していますが、こちらはあと数席で満席となる模様です。まだお申し込みいただいていない方で参加をご希望の方はぜひご連絡をお願いいたします。
R0013777.jpgnomoto piropiroさんの写真展が終了しました。

昨日、TANTOTEMPOではnomoto piropiroさんをはじめpiropiroさんにゆかりのあるゲストスピーカーをたくさん迎えトークショーを開催しました。関西御苗場を主催したPHaT PHOTO編集部の牛島さん(非公式参加)、ピロさんを発見したdigmeoutの谷口さん、今回の連携企画の帝塚山画廊松尾さんがトークショーに参加してくださいました。また、昨日は本当に多くの写真ファン、写真家やギャラリーの方も来てくださり、TANTOTEMPOは満席となりました。ピロさんのブルーグレイの美しい世界がどのように作られていくのか、どうしてこの作品に惹き付けられたのか、それぞれの立場で語っていただきました。特に、ピロさんを文字通り発掘することになった2008年の関西御苗場のdigmeout賞について、谷口さんの説明は明解でした。多くのアート作家を発掘されてこられたdigmeoutとして写真家を見いだすことについて、アート作家を認めるよりさらに敷居が高い、それほど写真が好きで写真を見て新しい表現を探しているとのことでした。電気的にカメラのホワイトバランスを変え、赤外線フィルターを通して撮影するピロさんの写真は、やはり新しい表現として映り認められたのだと思います。牛島さんもピロさんの表現を「見たことがない」表現と話してくださいました。その後、帝塚山画廊とTANTOTEMPOはそれぞれ現代アートギャラリーと写真専門ギャラリーと違う立場から、ピロさんに写真展のオファーをしていきます。帝塚山画廊の松尾さんからは、ピロさんの写真がもつインパクトに素直に興味を持ったこと、これだと思える若手のアーティストに出会えば、当然ギャラリーとして展覧会の機会をつくる立場があるとの説明がなされました。これについてはTANTOTEMPOとしても全く同じです。そこで、二つのギャラリーが組むことになり今回の連携企画となった経緯をお話ししました。帝塚山画廊はすでにいくつかのアートフェアにピロさんの作品を出展し、何枚かを売り上げています。どうして売れるのか、その理由についても説明をしていただきました。現代アート作品の1点ものの価格に比べてまだ安い写真作品について、不景気でも売れる要素はあるのだと思います。特に優れた日本の写真家の安い作品を外国の方が買っている状況などがあることは僕も東京のギャラリーなどで耳にしました。帝塚山画廊でもTANTOTEMPOでも、外国人が買っていかれたことは特筆に値します。
続いてピロさんご本人から写真活動について説明をしていただきました。どうやってこのブルーグレイの写真ができているのか、またピロさんの別のシリーズについても説明していただきました。イギリスのとある写真賞を受賞したことを紹介すると、「確かに受賞したが、賞状はウェブサイトからダウンロードして自分で印刷しろ、とのことだった」と、大変面白い話に会場は大爆笑でした。会場では、その後僕から「ガールズフォト」全盛の現代の表現について問題提起をさせていただきました。志賀理江子さんや高木こずえさんなどの「女の子写真」的な表現に対して「男の子写真」が元気がないんじゃないか、と問いかけてみました。内なるものの発露としての女性的エログロと対峙するかどうかは別にしても、「新しい表現」「強い美しい表現」「外に向いた表現」に向かう姿勢が男子にあるのか、という問いでしたが、ピロさんのような写真の中にまさにそれらの要素があるのではないか、との僕の意見に一応賛同をいただいたかと思います。

トークショーの全長にわたるムービーは、現在編集中ですが近くTANTOTEMPOのVideoサイトに掲載します。また告知いたしますのでもうしばらくお待ちください。

nomoto piropiroさんの写真展は、このあと4月30日まで帝塚山画廊にて開催されています。
"into the silent land / osaka"にもぜひ足をお運びください。両方のギャラリーに来てくださった方には後日作家からポストカードのプレゼントがあります。

さて、今回の写真展ではTANTOTEMPOだけでも6作品が販売されました。帝塚山画廊は写真展開催1週間ですでにTANTOTEMPOの販売数を超えています。すでに両ギャラリーを通じてエディション切れ間近な作品・サイズもあります。TANTOTEMPOでも引き続き4月22日からのコレクション展で展示がありますので、ぜひご覧になりお求めください。
R0010822.jpgnomoto piropiro展が始まりました。初日の今日からたくさんの来廊者でにぎわっています。

今日は神戸も快晴だったこともあり、栄町通は多くの人でにぎわっています。今は少し陰っていますが、国道も大混雑のようです。昨夜はかなり冷え込みましたが、そのせいで最近の暖かさに薄着になった人たちが少し寒そうに歩いています。

nomoto piropiroさんは、昨夜作品の設置のためにTANTOTEMPOに来ていただきました。僕が駆けつけた時にはもう既に設置はおおかた終わっていました。ブルーグレイのクールな写真がアクリル・アルポリックでフォーマットされていて、完成度の高いかっこいい写真だと思います。特にA1作品はとても迫力があり、白壁のある黒を基調とする家具のモダンリビングに特にマッチします。

今回の写真展は、大阪帝塚山画廊の南堀江移転後の初企画である"into the silent land / osaka"との連動ですが、大阪は迫力の大作品が中心です。神戸は逆にA2作品を中心に、A3作品もあり、大変お求めやすい構成になっています。人物が写っている写真が過半を占めますが、これらの作品が特にカッコいいので、TANTOTEMPOにお越しになりぜひご覧いただきたいと思います。

帝塚山画廊の展示が始まる4月9日からは双方のギャラリーの展示風景を相互に中継します。双方のギャラリーの来廊者同士がコミュニケーションできるようにする予定です。

お楽しみに。

R0013573.jpg約6週間にわたって開催してきたMeg Birnbaum写真展が今日終了しました。その間、本当に多くの一般のかた、写真愛好家の来廊に恵まれた写真展でした。写真展にはMegさん本人も登場し、初めての日本、初めての神戸でしたが大変すばらしい訪問だったと感激して帰国されました。

そもそもMegさんの写真展を企画するきっかけになったのは、世界中から集まってくる写真家のうち、優れた世界観をもつ写真家に展示の機会を与えているウェブサイトの存在があります。残念ながら日本人の紹介は皆無ですが、ちゃんと作品と向き合う作家ならチャンスはあるだろうと予想されます。TANTOTEMPOは常に外部から実力作品を探す努力をしているし、写真家がレビューを求めてギャラリーを訪れた場合、一定の条件でかならず写真家と会い作品に目を通しています。とにかく、海外の作品を多く展示する今年のTANTOTEMPOの活動にあわせ、約1年前から連絡をとりあい、写真展を開催した訳です。

Megさんの写真のいいところは、写真歴が長いにも関わらずマーケットに出てきた歴史が比較的浅いことだと思います。基礎的な写真教育ができるほど優れた知識を貯えながら、実際にはグラフィックデザイナーとして写真から常に一定の距離を保ち、あまり深入りしなかったことも結果的に良かったのかもしれません。結局デザイナーの仕事はリストラに遭い失いましたが、それがきっかけで本格的な写真活動を開始したのです。今から9年前のことです。それ以降いろいろなグループ展、個展を経験し、最近は作品が企業や美術館のコレクションになるまでに至っているし、昨年秋の中国のアートフェア参加、日本での企画展、そして今年後半にロシアからオファーを受けている状態で、かなりアクティビティーを高めていると思います。作品はとても落ち着いていて、とりたてて新しいアイデアで撮影されたものではありません。それにも関わらず高い評価がなされていることが、日本から見ると不思議な気もします。しかし、実力やスタイルに応じてアートの立ち位置を勝ち取れるアメリカの写真システムからすると、ごく自然なことかもしれません。アート色の強い新しい表現ばかりが脚光を浴びる日本とは大きく異なるシステムだと思います。本当にオーソドックスな写真にもチャンスが与えられているのです。

結果的に、今回の写真展では10作品が販売されました。そしてそのすべてが結果的に銀塩の写真となりました。同じイメージでインクジェット作品もあることから、またインクジェットの価格を銀塩より若干低く設定したことから、インクジェット作品が売れるのではないかと思っていましたが、見事に期待を裏切られた訳です。また、そのほとんどは15inchの大作品でした。これも少しびっくりしましたが、15inch作品と9.5inch作品の価格差がさほどないことから、ある意味では15inch作品の方にお買い得感があったものと思われます。お買い上げいただいた方の平均年齢は40台後半あたりか。何より、写真アートとしての価値と価格の相性がとても良いと判断されたような気がします。つまり、現在の経済状況からするとアートにお金をつぎ込める状況はなかなかないのかもしれないけれど、さほどリスクのない価格で程度のいい美しい写真作品が購入できるという、リーズナブルな価格だったということなのかもしれません。実際、安すぎるという意見も多かったのですが、おそらくあと100ドル高いと全く売れなかったのではないかとも思えます。

僕は新しい写真世界も好きですが、現代の評価軸の見えない写真のフィールドで一般の方に難しい作品をすすめても、東京の人口を抱えればいざしらず、関西では苦戦するだろうと思っています。いちいち説明をしなくても立ち上がる世界観があれば、その世界観を少しでも一般に伝えるギャラリーとしての言語があれば、値段と実際にイメージできる写真の価値とが結びつく限りにおいて写真は売れると思うようになってきています。

写真を読み解くことを神戸で少しずつ広めていきたいと思っています。
Megさんを見つけたウェブサイトはこちら。ぜひご覧ください。
http://www.photoeye.com/Index.cfm

TANTOTEMPOは引き続きMeg Birnbaumさんの写真を取り扱います。ご覧になりたい方は、事前にご予約をお願いいたします。

twitter

2010年8月

Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
Powered by Movable Type 4.1