今回はオープニングなどで特別な行事は行わず静かな滑り出しですが、連休最後の週末ということもありたくさんの方が来廊くださいました。
今回のシリーズはハービーさんの1970年代のシリーズで、ロンドン滞在時に世界中を席巻したオイルショックに触れてハービーさん自身がクウェートに入り撮影した"OIL PRIDE & CRISIS"シリーズを本邦初公開でご紹介するものです。日本でも高度成長期にオイルショックのためにトイレットペーパーや石油製品が買い占められ、社会が大変なパニックに陥ったことを記憶されている方も多いと思います。産油国と欧米列強との駆け引きによってもたらされたこの社会騒動について、ロンドンから世界を眺めようとしていた若き写真家が大変興味を持ち、クウェートに入って石油の匂いに身を寄せるという体験をするのです。
クウェートで目撃するものは何か、第4次中東戦争の陰でペルシャ湾岸諸国が欧米列強に対して反イスラエルの道具として行った原油減産という出来事が、かずかずの優れた、素直な視点で写真にきりとられています。
40年間作風が変わらない、とハービーさんご自身も話されるように、ハービーさんの写真に対する基本的な姿勢は1973年のこのシリーズから現在まで変わっていないように思います。人々の飾らない姿を撮影して人の優しさや力強さに訴えたり、胸を打つ光景を切り取る能力は、まさにハービーさんのセンスの高さそのものです。それは1970年代にロンドンに渡るときから現在に至るまで全くぶれることなく常に高い位置に保たれており、本当にすばらしい写真活動だと思います。4月には日本写真協会作家賞にも選出され、まずます写真界のみならず社会への影響を強めていかれるのではないかと期待しています。
"A Scent of Oil"をTANTOTEMPOでぜひご覧ください。
なお、本展覧会のトークショーについて、ひと言皆さまにお詫び申し上げます。4月初旬のHP告知から順次参加者の募集をおこなってまいりましたが、写真展開始時点でハービーさんのトークショーは満席となっております。大変申し訳ありません。キャンセル待ちもあまり期待できない状況ですので、どうぞご理解ご協力をくださいますようよろしくお願いいたします。本写真展にて本シリーズまたはハービー・山口さんの他のシリーズ作品をお買い上げいただきますと、数席ですが優先で固定席をご用意することになっています。ぜひ作品お買い上げをご検討くださいますようお願いいたします。

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