2011年3月アーカイブ

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まず始めに、3月11日に発生した東日本大震災においてお亡くなりになられた多くの方々のご冥福をお祈りいたしますとともに、ご家族、また被災された方々の一日も早い復旧、復興をこころより祈念いたしております。

4月23日から表題の写真展を開催します。

この写真展は、このたびの被災地を支援する枠組みとして立ち上げたSocio Arteの考え方に賛同してくださったアーティストの皆さんとともに開催する写真展で、それぞれの写真家が考える方法で作品を無償でご提供いただき、その作品の販売を通じてアーティスト、アートファン、写真ファンの皆さまのお気持ちをお金にかえて日本赤十字社の災害支援募金にその売り上げの全額を寄付するチャリティー展として開催いたします。

参加アーティストは、写真家のハービー・山口さんはじめ大和田良さん、浅田政志さん、萩原義弘さんなど、TANTOTEMPOと関わりの深いアーティストのみならず、この枠組みに賛同してくださった優れた第一線写真家や若い写真家の作品も一同に集め、シートあるいは額装にて作品をその場でお買い上げいただく展覧会といたします。シートは¥3,000から¥30,000程度ですが、写真家によってはすでに代表作をご提供いただいている作家もおられます。例えばハービーさんや萩原さんなどはご自身の代表作を特別にご提供くださっているほか、この写真展のために特別に作品をご制作くださる心意気をつよい写真家もおられ、本当にすばらしい気持ちのこもった展覧会となりそうです。TANTOTEMPOとしてもすべての作品を売り切り、大きな支援にかえて被災地に送りたいと考えています。ぜひアートをコレクションすることで被災地を支援し、長く作品をお持ちいただき、震災の記憶を留めて支援いただければ幸いです。作品をお買い上げください。よろしくお願いいたします。

お買い上げいただく作品には、この枠組みから特別に提供されているという意味、また作家の正式な作品が安価で提供されることに対しての配慮、またお買い上げくださった方々に長く記憶に刻んでいただくためにスタンプが押されます。どうぞご理解をお願いいたします。

TANTOTEMPOのある神戸も、震災の復興がまだ途上であり、国を挙げてのインフラの復興にくらべると芸術文化の復興は最も遅く忘れられがちです。これらにまで視点を注ぐ枠組みが長く活動を続けていく必要があるのではないかとの考えもあり、私たちはSocio Arteという活動を立ち上げることにしました。どうか多くのすばらしい支援活動が積み重なって大きな支援になるよう、またそれらが目に見える形で被災地に届くよう、大きな輪となって被災地を支援してまいりたいと願っています。

ご賛同いただける写真家、またアートの担い手の皆さまのご参加をお待ちしております。

オリジナルロゴ入り募金箱を無料にてご提供いたします。詳しくは下記をご覧ください。



himeji2.jpg徳平尚彦さんの写真展が3月26日(土)始まります。

写真展タイトルは"CRYPTOGRAM"となっていますが、この意味をご存知でしょうか。直訳すると「暗号化された」もの」ということなのですが、意訳すると「記号」とも言えると思います。

街を撮影して歩く徳平氏が見つける「記号」「暗号」とは一体何なのか。写真展でご覧になる写真を見てみると、ああ、なるほど、そういうことか、と納得される方が多いのではないかと思います。確かに街にはそういった記号や暗号が多く、多くは何か宣伝や広告のようにも見えるし、どういう意味か全く理解不能な記号もたくさんあります。また、それは例えばバス停の並べられた椅子の羅列やガラスに映った広告に見え隠れするものなのかもしれません。そういうものを徳平氏は見つけて撮影し、幾分暗くコントラストの強いイメージに仕上げ見せてくれます。

皆さんも街を歩きながら記号を探してみてください。また、意味不明なマークを見つけて歩いてみてください。徳平さんのような視点で街を眺めてみるとおもしろいのではないかと思います。

写真展は明日から。

4月16日にはギャラリートークを開催します。参加無料です。
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萩原義弘さんの写真展"SNOWY III"のトークショーを開催しました。

東日本大震災の影響でいろいろなイベントが中止または自粛ムードになっているのですが、萩原さんは「やろうよ、やろう」と神戸に来てくださいました。

都内に住む萩原さんは余震で揺れまくっていると話されていましたが、神戸のほとんど揺れない環境にほっとしている様子もありました。

トークショーは僕が司会でスライドショーをコントロールしながら、萩原さんにお話しいただく形式で行いました。

まず、萩原さんの写真体験の最初のきっかけについて尋ねました。いわゆるグラフ誌が世界の様子や写真のおもしろさをまざまざと見せつける時代だったことが写真に触れるきっかけだったこと、さらに写真がまだ生き生きと新鮮だったころに大学で写真を学ぶことになった体験を話されました。さらに、写真を学ぶ過程で体験した一つの偶然、一つの事件がその後の写真家としての基本的な姿勢や作品制作の方向性を決めていったことが紹介されました。その事件が、夕張で90人あまりがなくなった1981年の炭鉱事故で、たまたまその近くに居合わせその地を訪れてうけた衝撃が炭坑の暮らしや人々に視線を向かわせるきっかけになったことが説明されました。

その後、国内の石炭価格が上昇し、エネルギー資源が石油にシフトしていく中、炭坑が廃れ閉じられていくのを目の当たりにしながら、夕張だけではなく全国の閉山した炭坑や鉱山を撮影してまわりそれが大きな幹となるシリーズ「巨幹残栄」となり、高い評価を受ける経過が語られました。

ドキュメンタリーの写真の力量はおのずその被写体と自分との関係性によるし、いかに事実を写し出すものであっても、その写真がひとのこころに届くためには美しくなくてはならない、との持論を力強く話しておられたのが印象的でした。この考えに基づいて新たな幹として撮影されたのがSNOWYのシリーズです。廃坑や閉山した鉱山を「廃墟」と呼ぶことをかたくなに拒むのは、まさにそれらの「遺物」がまだ生きていて、ただ崩壊を続けているにすぎないのだ、という萩原さんですが、その説明にはとても説得力があります。そこに雪というモチーフを持ち込んで、崩壊に寄り添う言語としてこれを用い、崩壊の過程がよりはっきりと示されるよう強く美しい光の陰影を写し取っていく制作のプロセスがあるわけで、オリジナルで真似のできないリスクの上に描かれているからこそ優れた作品になるのだと思います。

危険をおかして撮影に出かけ、ほんの数カットを撮影するために雪原を往復するなかに、作品を制作するこころの活動の真摯さと情熱があります。この態度こそ、若い、作家を目指す方々にはぜひ見習ってほしい、とトークショーを締めくくりました。

トークショー後はレセプションパーティーを開催、萩原さんを囲んでひとの輪ができ、カレーやオリジナルのSNOWYというお菓子で来廊者の方にお過ごしいただきました。トークショー当日に作品が2つも販売されるなど、萩原さんにとっても本当にうれしい反響だったと思います。

作品を作る、売るという行為の責任という点で、萩原さんはプリントの美しさにも常に配慮しており、すべてに責任を負うことが写真家の仕事なのだ、と繰り返されていました。まさにその通り、いいトークショーだったと思います。
東日本を襲った大震災は、明らかに阪神淡路大震災よりも深い傷跡を残しそうな様相を呈しています。町や村が丸ごと津波に押し流された映像を見るにつれ、直近の被災者救助や物資食料の支援は最大限国力を挙げて行うべき最優先の課題であることは疑う余地もありませんが、震災の復興がどのように進められていくのか、という点にも思いを巡らさない訳にはいきません。

町がもはや町の様子をとどめておらず、学校や港湾、道路、病院機能といったインフラのすべてを失ってしまうと、さらには第一次産業である漁業の壊滅的被害や農業特に田畑の流失・塩害を考えると、その地に仮設住宅さらには復興住宅を建築して、田畑の塩抜きをして、道路を造って橋を渡して、学校を整えて、病院を再建して、と途方もない時間と資金と労力が費やされ、さらにそんな町が無数にあるという途方もない現実を突きつけられ、呆然と立ち尽くすしかない気持ちになるのです。

神戸で震災を経験した時、がれきの積み上がった街を見て復興など不可能ではないかと思う気持ちもありましたが、3週間もすれば人々のささやかな営みの中から不思議と再興への勇気のような感情がみなぎってきた記憶があります。しかし、それは途方もない現実に向き合うときに必要な組織的な復興へのかけ声が、民族や地域を越えて、持続的かつ高らかに続けられてきたから感じられたものだと考えています。街を復興させるという一大プロジェクトは、あらゆるリソースを持続的に集め、強力な政治と指導力のもと、各界各層の調和によってのみ実現可能だと確信できるのです。

ある町の教育や文化リソースがある日こつ然と消えてしまった場合、僕たちはその復興のために何ができるかを考える必要があります。アートの活動から支援できる方法論とは、誰がいつどのような方法で誰を(何を)どの程度復興させるか、を考えることだと思います。そこで僕は一つの方向性を示してみようと考えました。それがSocio Artsです。

ソシオという言葉でもっとも知られているのは、FCバルセロナというスペインリーガのサッカークラブの運営構造です。スペクタクルで強大なサッカーチームのもっとも根幹をなす組織は、15万人ともいわれる全世界の会員がささえているソシオです。総資産10億ドルという途方もない資金構造が支えるのが、世界一のサッカーチームだというのはとてもおもしろいことで、日本では考えられないことだと思います。ここには一貫したチーム愛と、サッカーというスポーツへの参加があり、持続的で熱狂的な支援は途切れることがありません。そのかわりチームはスペクタクルなプレーを義務づけられ、優勝という目標に向かって一丸となって邁進できるのです。

アートが社会参加して町を復興させることはできません。しかし、アートが参加して持続的かつ効果的に何らかの社会インフラを支えることは可能かもしれません。僕は震災について個人的な義援金の支払いは行いましたが、やはりアートという構造から支えるものとしては、教育インフラと文化芸術あたりに狙いを定めて支えてみようと考えています。アートに参加する人々が一斉にではなくても少しずつ参加するソシオのような構造をまず作り、その構造が認証する憲章やロゴのもと展覧会を開催し売上金の一部を捻出し、募金箱をおいて募金を募り、2年なり5年なり少しずつでも支援の輪を広げることができれば、学校の一つや二つは建てられるのではないかと考えています。

バラバラな構造なきアートがあちこちでチャリティーを組んで活動を始めています。それぞれが尊いことには違いはありません。しかし、アートにとってもこんなまとまる機会はありません。せっかくですのであらゆるアートの担い手がまとまって、構造として教育や芸術文化を被災地に呼び戻す大きな活動へと発展させられたらどれほどすばらしいだろう、と考えるのです。ソシオのようなうねり、ソシオのような小さな愛の積み重ねのような巨大な力を、途方もなく大きなものを失った人々におくりたいと願っています。

ぜひSocio Artsという一つの考えを読み取っていただき、ご賛同いただけるのであれば一つの統一ロゴ、一つの憲章のもとに活動してくださるようお願いいたします。すでに大きな強い枠組みがあるのであれば、私たちもぜひそこに合流させてください。文化庁や文部省、地方自治体、美術館などにも働きかけられる支援組織を構造し、ぜひ多くの文化芸術の担い手のみなさんとともに社会参加、復興支援に挑戦したいと思います。
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GalleryTANTOTEMPOギャラリーニュース特別号/2011年3月12日配信
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おはようございます。神戸・栄町通のGallery TANTOTEMPO杉山です。
東北関東大震災の災害のニュースが世界中を駆け巡っています。被害に遭われた皆さまにはこころよりお悔やみを申し上げますとともに、被災地の復興、被災者の皆さまの一日でも早いご回復を切に願うものであります。

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写真家、ギャラリー、アートの担い手の皆さま、アート・写真ファンの皆さま


宮城県沖で昨日発生した大震災は、全体像が未だ十分に明らかにならないまま、未曾有の大災害に発展する可能性があり、また福島原発の事態もとても心配な状況が続いています。皆さまの中にも、ご自身や関係者の方が被害に遭われた方もおられるのではないかと思います。そのような落ち着かない状況でのお知らせに戸惑われる方もいらっしゃるかもしれません。大変申し訳ありません。阪神淡路大震災を被災地の中心部の大学病院で経験した身の上からすれば、当時の壮絶な状況を思い出すにつれいたたまれない気持ちでいっぱいです。ひとはいかに巨大な災害の前に無力かと感じずにはいられない一方で、人々が助け合い少しずつ復興を果たした神戸のように、現在の被災地も力強く立ち上がる日が必ずくると信じています。そのために、僕たちができることが何かないか、ずっと報道を見ながら考えて参りました。

そこで、アートに関連する私たちがある種の枠組みを形成して、アーティストからデッドストック写真や作品をご提供いただき、¥3,000-10,000程度で販売し、全額を被災地に送るという社会活動クラブを運用できないかと考えています。これらはもちろん収益を生むものとしては運用しませんが、枠組みとロゴ、期限などを設定し、アートの社会参加の大きな実験にもなりますし、作品を購入してもらってお金を提供していただくというアイデアはアートの底力を示すものとしてとても重要な役割を担うと確信しています。

すでに同じようなお考えをお持ちの方もいらっしゃると思いますし、過去にも様々な例があると思います。誰が言い出したかなどはこの際関係なく、できるだけ早く枠組みを立ち上げて、皆が少しずつ参加することでぜひ大きなうねりに構造できればより大きな成果が見込めると思います。支援する気持ちが同じなのであれば、ぜひ合流しましょう。皆さんのお持ちのアイデアがよりよければ、僕も仲間に入れてください。各所で局地的に行うより、全体で構造に参加しながら波状的に広げられないかと考えており、その中心的な役割をともに担っていただける方を募りたいと思います。

1.関西は被害がほとんどないので、関西のギャラリーを中心に関東のギャラリーと連絡を取りながら枠組みの全体像を構成する
2.早急に被災地支援表明を行い、アート界全体への参加を呼びかける
3.アーティストは作品で、ギャラリーはその販売、送金業務で活動に参加する
4.クラブは出入り自由、しかしイベントは登録制(便乗する団体を制限するため)、またイベントは作家や作品の種類、数、時期によってそれぞれのギャラリーが独自に構成可能
5.ただし、この枠組み参加イベントは、別途デザインするロゴを使用し、枠組みに参加していることを明記
6.商用展示作品とこの枠組み提供作品とを明示・区別することで併存を可能とし、収益もそれに応じて分配
7.ひとまずわかりやすくSocio Arts Clubという名を与えています。ロゴデザインをやってくれるアーティストも欲しいところです
8.独自ドメインにてのWebSite構築は僕が契約、管理してもかまいません
9.支援の方法は災害義援金と被災地のアートインフラの保全などがあると思います
10.500-2000万/年程度の支援を目指す

以上、とりとめがありませんが、皆さんのご意見をいただければ幸いです。また、どうかこの意見にご賛同いただけるのであれば、お知り合いのアーティスト、ギャラリーの関係者の皆さん、アートの担い手の皆さんにこのメールをご転送いただき、ご意見やご参加を募っていただきますようお願いいたします。ご連絡は下記アドレスまでいただければ幸いです。まとまることが非常に重要だと思っています。


最後に、被災された皆さまには大変なご苦労があると思います。どうぞしっかりと手に手を携えてともにこの苦難を乗り超えられますよう神戸の地からこころよりお祈りしております。

どうぞよろしくお願いいたします。