17日にはDanielのギャラリートークがありました。トークではまず出身のウルグアイの地図が紹介され、国家について紹介がありました。続いて写真活動のきっかけとなったウルグアイの刑務所の説明があり、その中でウルグアイの政治や経済の動向から刑務所がたどった変遷が説明されました。すべての監房が独房だったことや、この刑務所がそもそもイギリスの刑務所のコピーとして建造された背景には、ウルグアイが欧米をモデルに、いろいろな意味で平和で豊かであったことを示しています。それが、特に大きな理由もなく衰退し、力を失っていったという説明がありました。基幹となる産業や、資源開発が遅れたなどの理由があったとのことです。現在のウルグアイは、経済的にも政治的にも苦しい状況だとの説明がありました。
Machado氏の別のシリーズである病院のシリーズでは、現役の国立大学病院が撮影されています。現できであるにも関わらず老朽化に任せたまま使用されていて、ペンキがはがれた壁や汚れたトイレなど、悪い環境と言わざるを得ない施設です。Danielはその実態を暴くシリーズを隠しカメラで作成したそうです。その結果、当局から睨まれたことは言うに及びませんが、少しだけ病院の環境が整えられたことが紹介されました。ドキュメンタリーの手法は、時にこのような社会的な反応があるものだということがよくわかると思います。
作品販売は残念ながら数多くという訳にはいかず2枚にとどまりました。しかし、写真のドキュメンタリー性とアートという考え方からすると、TANTOTEMPOとしてはこれらの作品こそ価値があると思っています。TANTOTEMPOでは引き続きDaniel Machado氏の写真作品を取り扱っていきます。
Danielは作品の設置からトークショーの準備に至るまで、きめの細やかな配慮をみせる熱心さがありました。ギャラリーに訪れてくださった来廊者の方々にも積極的に声をかけていたのが印象的です。現在スペインなどでも写真活動をされているようですので、今後の活躍を期待したいと思います。

コメントする