馬場先生はTANTOTEMPOとも関わりがあり、写真論に関して非常に大きな見識があります。また、写真を中心としたメディアの役割について深く研究をされています。
昨日の講演会では、特にファッション写真の系譜について、多くの画像を引用しながら時代を追いながら丁寧に語っていただきました。写真が出現した黎明期の動き、つまり肖像画からポートレイトへの流れをかたちづくりながら急激に発展した写真、スタイケンの当時から始まったモダニズムと女性の美の追求、Vogueなどの紙面を飾ったファッション写真、ココ・シャネルの登場とヘルムート・ニュートン、ピーター・リンドバーグ、ハーブ・リッツなどがその後のモードに及ぼした影響などについて説明がなされました。その後もパトリック・ディマシエリエ、アーヴィン・ペン、リチャード・アヴェドン、アニー・リーボヴィッツ、古くは植田正治、アウグスト・ザンダーなどがある種の身体性と時代性を記号化してのアート写真として表現の最先端に立ち続けた経緯が示されました。写真家とその作品を通じて、女性の身体、その身体を覆うモードとそれをメディアとして取り上げた写真という媒体について、明快に語ってくださいました。特にヌード写真が表現する女性の身体への礼賛と常に先端のモードに関与した写真メディアについての話は大変参考になりましたし、この部分の解釈は特に現代の写真を理解する上で絶対に学んでおくべきことだと思われました。ヘルムート・ニュートン以降、現代のファッション写真が単にモードを見せるのではなく、まず身体を見せることで女性の美へと帰着する、つまりモードを表現することになった経緯の説明は大変興味深いものでした。
神戸ファッション美術館は大阪大学現総長の鷲田清一氏の監修のもと数多くの著名写真家のオリジナルプリントのコレクションを所有しています。その数は約2,000点にも及び、現在学芸員と馬場先生などがそれらを分類し整理しているところだそうです。今後様々な機会に市民に公開する仕組みを構築していくことになっています。TANTOTEMPOとしてもこれらの活動に協力していきたいと思っています。
なお、この講演会の模様はUstreamにて配信されました。が、画像は少しお見苦しいかと思います。現在HDビデオにて配信できるよう、新たに映像を準備中です。しばらくお待ちいただければ幸いです。
http://www.ustream.tv/channel/tantotempo

コメントする