甲南女子大学クリエイターズフォーラム

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SDIM2582.jpgPhoto by Shin Saito

甲南女子大学の学園祭の一環、そして文学部メディア文化論の教育プログラムの一環として、クリエイターズフォーラムという枠組みの中で写真イベントが開催され、参加してきました。

このフォーラムは定期開催されているもので、今年で第15回を数えます。主にプロフェッショナルなメディア、アート関連の活動を行っている人々を招いて、主に学生を対象に講演会などを行っているそうです。今年はプロフェッショナルフォトグラファーとしてTANTOTEMPOでもおなじみの写真家・田中亜紀さん、そして写真文化の担い手としての立場からTANTOTEMPOを代表して僕が参加することになりました。もちろん、主催されたのは甲南女子大学文学部教授でTANTOTEMPOともなじみの深い馬場伸彦先生です。今回は計画立案当初から参加させていただきました。

フォーラムは二部構成で展開され、前半は田中亜紀さんの写真活動としてTANTOTEMPOで開催し好評だった"DAZZLE"という太陽の光を主題にしたアート写真家としての写真活動、そしてカメラマンとしての舞台撮影での活動が紹介されました。写真家としてのキャリアをスタートさせたきっかけや、作品を作っていく活動の実際、またプロフェッショナルであることの意味、写真というアートの特性について、太陽の光というテーマについて「写真でしか語れないこと」という観点から大変わかりやすく解説されていたのが印象的でした。

後半は、「写真を見るということ」と題して、ギャラリストの立場からどのようにして溢れるように存在するたくさんの写真の中から力のある写真を選んでいくのか、というセッションを受け持ちました。この流れのなかで、フランスの写真家Patrick Tabernaさんと萩原義弘さんの写真世界を紹介し、ストーリーが紡がれていく映画のような写真アートと、ドキュメンタリー写真家としての活動から美しい世界を紡ぐ写真アートを紹介しました。

このフォーラムのメインイベントは学生たちが撮影した写真をスライドショーで紹介し、田中さん、馬場先生、そして僕がリアルタイムにレビューをしていくというものです。写真は総数約200イメージ、延べ35名近い方々の参加があり、会場からもQRコードでメールを送ってもらうという実験的な試みも実施しました。時間の都合ですべての写真を紹介できた訳ではありませんが、約半数の写真についてレビューを行いました。

提供された写真はあらゆるジャンル、対象を含んでおり、面白いものが数多くありました。大学内で撮影された実験作や、友人、動物を対象とするもの、写真アートを目指したコンセプチュアルなものもありました。また、女性らしいかわいいモチーフや色使いの写真も多く、解釈が困難な写真、どこで撮ったのか不思議な世界を描いているものなど、レビュアから面白い解説がなされ会場が沸き立つ写真も数多くありました。誰かが撮影している以上、原則として「意味のない写真」はない訳ですが、何かメッセージがあるか、表現がなされているかという点で写真を読み解く作業を会場全体で行うという今回のイベントは大変面白かったと思います。これからも同様のイベント、フォーラムの開催を、学内にとどまらず様々な方面で行うと写真文化の読み手が育ってくれるような印象を持ちました。

甲南女子大学でも、内容は変化していくものと思いますが、同様のイベントが開催されることになるのではないかと思います。表現者のみが増える一方では写真文化とはいえない訳で、実は写真の読み手を育てることがいかに大切かを改めて実感するイベントでした。

若き写真家の皆さん、おつかれさまでした。

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