2009年7月アーカイブ

P7120463.jpg8月8日午後5時から現在写真展開催中の菊地和歌子さんのギャラリートークを開催します。

写真展も残すところ2週間と少しとなりました。菊地さんの写真は、あるひとつのテーマにそって作り上げていく写真の原則ともいうべき手法で撮られた作品です。雪というテーマは誰もが一度はチャレンジするものだと思いますが、雪のもつ意味や色彩、またそこから広がる感情をも刺激する世界につなげていくためには菊地さんのような粘り強さが必要だと思います。ただ雪山を撮るのではなく、ただ白い世界を写すのでもなく、どうして雪を撮っているのか、どうして雪の細やかな質感や雪の界隈にあるモチーフをひとつひとつ拾い上げるのか、このあたりを考えると菊地さんの白い世界がいかに豊かに広がるのかその理由が見えてくるような気がします。

トークショーは参加無料です。既に多くの方のご予約をいただいていますが、まだ空きがあります。ぜひご参加ください。
263.jpg8月のモノクロ銀塩の写真展に続いて、9月26日(土)から西山武志さんの写真展を開催します。

西山さんは非常に実力のある写真家で、フジフォトサロン新人賞、Canonデジタルクリエイターズコンテストはじめ、数々の写真賞でグランプリを取るなど、若手の中でも特に注目を集めている写真家です。プリントが美術館にコレクションされるなど、その写真活動は高く評価されています。

今回のテーマは"REHABILITATION"。誰もが味わう挫折を通じて、普段元気なときには気がつくことのない身の回りにある風景を切り取った作品群です。

挫折から立ち上がるということの痛みを感じたことがあるひとなら、きっと写真展のコンセプトに納得されるはず。

西山武志写真展
"REHABILITATION" - いつか元気になるその日のために - 
2009年9月26日(土)- 11月1日(日)
カラー/デジタル/デジタルプリント 30作品

お楽しみに。
P7120469.jpg菊地和歌子さんの写真展が始まりました。6週間にわたる真夏の写真展ですが、計30の雪の写真をご覧いただきます。

菊地さんの写真は、雪・白をテーマとしてまとめている作品です。2月に開催した萩原義弘さんの写真展は、廃墟をテーマに雪をモチーフとしたすばらしい写真展でしたが、今回はそのものズバリ、雪がテーマです。雪のもつ特別な要素、また人々が雪に抱く厳しい印象とやさしい印象とをうまくまとめあげています。厳冬の北海道の旭岳のたもとで撮影されたこれらの作品は写真家のフットワークと雪にまつわる思い出やあこがれが紡ぎだしたものですが、作品はどれも非常に丁寧に制作されています。プリントも雪の特徴を十分に出せるよう、特殊なクリスタルコーティング紙に出力されており、雪の質感はまるで手を伸ばすと冷たい雪に直接触れられるのではないかと思えるほどです。

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昨日は写真家が在廊され、またオープニングレセプションを開催しました。大阪芸大時代の同級生や友人たちがたくさん集まってくださいました。さながら同窓会の有様でしたが、菊地さんも楽しげに談笑されていました。

今朝も朝から真夏の日差しでとても暑い一日になりそうです。真夏に見せる雪の写真展。菊地和歌子写真展"echoes"をご覧になり涼しいひとときをお楽しみください。


DM03_tt.jpgいよいよ今週末、菊地和歌子さんの写真展が始まります。

皆さん、最近じめじめした夏の暑さにやられていませんか?
TANTOTEMPOでは今週末から菊地和歌子さんの写真展"echoes"を開催します。TANTOTEMPOのメインギャラリー全体に、美しい雪のイメージが広がります。

菊地さんも金曜日の搬入には顔を見せてくださる予定ですし、土曜日のオープニングと午後5時からのレセプションに在廊いただく予定にしています。この機会に写真家と直接お話しされてはいかがでしょうか?

また、写真展をご覧になった方のうちアンケートにお答えいただいた方にミニかき氷をプレゼント。アンケートをお書きいただきながらお楽しみいただきます。

真夏に見る雪の景色。また、非常に高品位な作品は額裝付きで¥28,000(税込み)からと大変お求めやすくなっています。ぜひこの機会に涼しい美しい雪の風景を生活空間に飾られてはいかがでしょうか?

四切 ¥28,000(税込み・額裝・サイン)
半切 ¥45,000(同上)
大全紙 ¥60,000(同上)
大作品(A1) ¥98,000(同上)
R0010743.jpgふせ直樹写真展が終了しました。

3週間にわたって開催されたふせ直樹写真展が昨日終了しました。写真展は大変好評で、13作品が販売されるなど、ギャラリーとしても思いがけない反応でした。また想定していたこととはいえ、今までの写真展と違って、幅広い年代の方が訪れてくださったのもよかったと思います。

ふせさんの作品世界やテーマ、コンセプトは、実は「お祭り」ではないことはご覧になった方にはおわかりいただけたと思います。「お祭り」は彼のフットワークがもたらすモチーフの一つにすぎないのです。彼の作品は、じつは現代の日本の深い部分に巣食う他者に対する無関心や厭世観、個の社会への不参加を告発する視線でもあるし、閉塞する日本の社会への応援歌でもあるのだと思います。彼の視線の先には常にひとがいて、その人々はそれぞれにもがいてはいるけれど、決して暗いものばかりが社会を支配しているのではなく、伝統に基づいた強いこころが確かにまだ日本にはあるのだというメッセージだと思います。「人は塵になって土に返っていく」という彼が日頃考えていること、今生きている刹那を大切にしなければあまりにも短いひととして生きる時間。こんな考えを込めて、「お祭り」で最高潮に達した人々の狂ったように踊っているさまを切り取っている、そんな写真なのです。

ふせさんとの出会いは、僕たちにとっても鮮烈でした。お金もない、暮らしの本拠がない、プリントしたりカメラを新調することもできない若者が、ある日写真をコピー用紙にプリントしてあるカメラ系雑誌社に持ち込んだところから一連のストーリーが始まりました。あらゆるギャラリー、出版社に冷たくあしらわれた後のことです。独特の風貌、またコピー用紙などを持ち込むなど、普通には考えられないことも、おそらく反発もあったのだろうと想像できます。雑誌の編集者はこの写真家のイメージを見て驚いたといいます。イメージの質感やコンセプト重視の写真家があふれる日本に、まだこんな素直な写真家がいたのか!と小躍りした様子を直接僕たちの前で話してくださいました。結局、彼の写真はアサヒカメラ巻頭ポートフォリオに掲載され、母校(一般大学)での展覧会、そしてTANTOTEMPOでの写真展につながっていったのです。僕が彼の作品を取り上げようと思った理由も、基本的にこの編集者と同じ考えからです。ずっしりと重いコピー用紙のポートフォリオをひもときながら、がつんと頭を後ろから殴られたような衝撃を受けたのです。イメージは粗雑ですが、アイデアはとてもパワフルで、もっと写真を眺めたいという衝動に駆られました。

ところが準備がとても大変でした。タイトルやコンセプトが決まったのは早い段階でしたが、2−3000枚のイメージを眺めて構成を考えても、彼の特徴を提示し得る写真展のアイデアが思い浮かびません。「祭り」は写真展の中心的なモチーフに使うことは決まっていましたが、撮影されたカットの他のモチーフがバラバラで、あるアイデアでまとまりを作るのが難しそうでした。一つには、そもそも古いデジタルカメラで撮影されたこれらの写真は、展示に耐え得る解像度も階調も持ち合わせていないし、ノイズだらけだったのです。僕は頭を抱えてしまいました。

しかし、よく考えてみると、これらの写真はレタッチで無理に整えるよりそのまま展示する方がいいのではないか、数を限定させてしまうよりできるだけたくさんの写真を提示する方がいいのではないか、と最終的な展示のアイデアが決まりました。写真展開催4日前のことです。

ふせさんが活躍できるフィールドのことを考えています。ギャラリーとして彼を応援する立場から、彼が今後どのような写真活動を行っていくのか注目していこうと思っています。素直さはこのままに、イメージの質は高めて、しばらくは放浪を続けるのだろうと思います。鋭い視線で日本の社会を見る姿勢を持ち続けることができれば、彼は間違いなく日本の写真界に必要とされる写真家になるものと確信しています。13枚ものイメージを買い上げてくださったのは、彼への応援に他なりません。

どなたか、彼に高画素のデジタル一眼のお下がりをおゆずりくださいませんかね?

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