2008年11月アーカイブ

東京訪問

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R0010278.jpg昨日は今後TANTOTEMPOで開催する企画展に向けて、写真家に会うために東京に日帰りで行ってきました。春にかけての写真展展開のためにキーとなるお二人の写真家と相次いで会うことができました。
パリから帰ってきてからばたばたとしていましたが、今週末は幸い3連休。その中日を利用しての出張です。

実はどんなイベント企画かにかかわらず、これをプロジェクトと定義するなら、写真展は既に始まっているのだと実感しました。写真家と初めて会い、握手をした瞬間から写真展が動き出すのだと思っていましたが、実際はその前の打診の段階で既に企画はスタートしていると言っても過言ではありません。それくらい、次から次へと移り変わる企画をこなしていくためには時間を惜しんで動く必要があるし、複数の企画の進行を常に頭に叩き込んでいる必要があるのです。写真展とはさまざまな情報交換、話し合いを経て写真家とギャラリーが作り上げる作品なのです。何かひとつでも欠け落ちたら、ひどく完成度の低い写真展になってしまうでしょう。

昨日の東京は大きな収穫でした。ああ、この人となら仕事をしてみたい、と思わせてくれる大変懐の深い写真家と、きらきらと輝くようなイメージを撮る若手女性写真家でした。写真展のアウトラインが瞬く間に形づくられていくような気がしたのはとても心地よいものでした。

いずれここでも紹介します。お楽しみに。
R0010182.jpg17日月曜日に帰国しました。昨日は仕事もあり、エントリーできませんでしたが、一応実況としては最後の報告を行います。今後も機会を見つけてレポートを行いますが、まずは帰国のバタバタ劇を紹介します。

Air Franceのストライキの件は前のエントリーでも書きましたが、結果的にAir Franceでの帰国はキャンセルとなってしまいました。

パリのギャラリー関係者からAir Franceのストのことを聞かされたのが14日。その日から気分的にストレスを感じながらの滞在でしたが、翌日に現地HISに駆け込んで成田経由伊丹着のANA便をおさえておいて本当によかったと思います。
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帰国当日16日の早朝にウェブで確認した際にはAF便はスケジュールされていたため、成田経由より関空着直行便の方が便利なため、慌ててシャルル・ド・ゴール空港に向かいました。空港ではAF担当者も飛ぶと言うしすんなりとチェックインもできたので、ANA便のキャンセルのため遠く離れたターミナルのANAの発券センターに向かったのですが、なんと発券センターは開いていませんでした。成田便の時間に合わせて開くとのことですが、それではAF便が出発した後の時間になってしまいます。空港当局に事情を話し、教えられたANA事務所に何度も電話をかけるのに、いつまで待っても話し中でつながらず、あきらめてAFの搭乗口に向かったところ、出発1時間前にAF便がキャンセルされていることがわかりました。なんと!ANA便をキャンセル出来なかったのが幸いして、なんとか成田経由で帰国しましたが、本当に疲れ果ててしまいました。ツアーの方など、どうやって帰国したのでしょうね。多くのツアー客がパニックに陥っているのを横目に帰ってきたのですが、それにしてもフランスのストライキは恐ろしいです。パイロットの定年が5年延長されるのが気に入らないとのことですが、基本的にこのプランは大多数の国民に支持されていて、サルコジ大統領の既定路線なのです。少し前にはオペラ座で同様のストライキがあったのですが、いろいろな面で庇護を受けている公務員や政府が大株主のパイロット組合がこのようなストを実施するというのは国民の支持を受けるはずもありません。実際、フランスの友人は彼らのことを「恥ずかしい」と言っていました。観光客の身銭と時間と夢を奪う自己中心的な行為は、厳に慎んでもらいたいと思います。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、本題です。
写真展で見かけた気になる写真が口絵のイメージです。見るとただ照明写真のようなカットをグリッド状に並べただけのものですが、同じ髪型、同じ職種、同じスーツ、同じ色、など一枚一枚にテーマがあるのです。面白いのは、この表現手法を"Exactitudes®"と題して、なんと商標を取っているのです。写真の表現手法にまで知的所有権や商標をもってくる時代になったのだと驚かされました。賛否両論だとは思いますが、このような手法はこれから増えてくるかもしれません。個人的にはこのグリッドのアイデアは面白いと思うのですが、この商標の件で興ざめしてしまいました。彼らはアーティストなのか?ただのプロダクションなのか?皆さんはどう感じますか?

日本人関係者と話しをする機会が多くありましたが、本当に知りたいのは日本人写真家がどの程度のセールスをあげたかという点、写真家それぞれの本場ヨーロッパでの評価です。個人的には、がんばっている日本人写真家、ギャラリーも数多くいてそれぞれにセールスはあったようですが、また同数程度苦戦している写真家、ギャラリーもあったと思います。注目を集めるという点で荒木経惟さんの緊縛シリーズはインパクトを生んでいましたが、大型の作品を遠まきに眺める人も多く、そこだけ浮いていた印象は否めません。人物像を写真の平面から立ち上げた立体写真、1cm厚のアクリルを使ったブロックのようなイメージ、商標を取った写真、2mもある大型写真、ポラロイドなどなど、見る者の判断に任せられるのがアートの解釈ですが、写真本体の勝負をしている写真家が困惑するのがわかるほど、写真表現も多面性、多様性を見せ始めており、それが却って本質的な重みを損なっていくことがないのか、心配でもあります。かつて1960−80年代、音楽は最高潮に美しく、多くのスタンダードを生みましたが、その後様々なスタイルが登場し、矢継ぎ早にアーティストが登場し、消費され、忘れ去られていきました。現代の音楽は、解釈や熟成とは無縁で、ただ生産され消費されているだけのような気がしてなりません。写真界にも実は同じことが起こっているのではないか、と確信するだけの根拠がパリフォトを訪れてみてたくさんあることがわかりました。

そんな中、出来るだけ上質のイメージを探し出し紹介できるギャラリーであり続けられるのか、自らの襟元をただす気持ちを胸に帰国したことは言うまでもありません。

以上で、PARIS PHOTO 2008の参加レポートは終了です。
R0010234_2.jpg今、帰りの支度をしているところです。3泊5日の弾丸系の旅ですが、Air Franceのストライキと重なり、昨年同様フランス人の社会性のあおりをもろに食らってしまいました。

昨年は地下鉄、バス、鉄道のストライキがあり、予定していた友人との面会が果たせませんでした。今回は帰路の航空便がストライキに巻き込まれるとの情報があり、到着早々善後策に追われパリフォトで作品を眺める心理的余裕が少なくなってしまいました。結局、安全な国内航空会社の経由便(成田)のチケットを別途用意するという手段で落ち着きましたが、今朝になってAF便はなんとか飛ぶことがわかったので慌てて身支度をしているところです。直行便なのでAF機で帰ろうと思いますが、別途用意した便をキャンセルしなければならず、なんとも腹立たしい限りです。今回はいい勉強になりました。

さて、パリフォトですが、予定していたすべての方々との面会を果たすことができ、また7月からTANTOTEMPOで写真展を行ったパトリック・タベルナ氏との再会も果たしました。昨夜はなんとパトリックの自宅に招待を受け、奥様の手料理をごちそうになってきました。

パリフォトでは、昨日は意欲的に歩き回りました。いくつかのギャラリーでは写真家とのコンタクトもあり、写真展企画の展開を模索することになると思います。また、コレクションとしてCorinne Mercadier氏のポラロイド作品を購入してきました。会うことはできませんでしたが、とても印象的なコレクションであり、写真家としても大変優れたセンスをもっています。いずれTANTOTEMPOで紹介しようと思っています。唯一無二のポラロイド作品は、ポラロイド自体を出品している写真家を複数見かけました。また、ポラロイドから起こしたデータで作品を作っている人もいて、それぞれの考え方の違いが大変興味深いものです。
ポラロイドを作品として取り扱うか、プライベートフォトとして温存するか、という視点なのですが、オリジナルデータが手元に残るフィルム写真と比べてそれらの出品には大きな勇気が必要なはずです。現にパトリックも数多くのポラロイド作品を有していますが、現時点ではとても手放せないと語っていました。実際、Corinne Mercadier氏の作品は高額ですが飛ぶように売れていて、とても人気のある作品群でした。ちなみに、口絵の作品はデジタルに落としてプリントしている作品ですが、やはり価値は落ちます。いいイメージだったのですが、ほとんど売れていませんでした。

さて、そろそろ出かけなくてはなりません。帰国後にも、主に日本の写真家に関連してレポートを行う予定です。お楽しみに。


R0010169.jpg昨年に続き、今年もパリフォトにやってきました。

会場の設定その他は特に昨年と大きく異なることはありません。しかし、日本が招待国となった今年は日本のブースがかなり多く、昨年より多くの日本人を見かけました。多くはギャラリーやパブリッシャーとその関係者だと思いますが、中には写真家の姿もあったようです。

この写真フェアの特徴は、コレクターやギャラリー同士の商談がある一方、一般の顧客が多数おとずれて写真を買い上げていくというスタンスです。中には左写真の杉本博司さんのような€65000の価格がついている作品などもあります。これが売れるのかどうかはわかりませんが、大きくて高額な作品が売れているのは間違いありません。2x2m大の大きな作品をポンと買っていくコレクターの取材をしてみたいものです。

日本のブース、日本人写真家は概して人を集めていましたが、やはり人を集めていたのは森山大道さんや荒木経惟さん。ハードボイルドな都市風景が受けるのと、日本特有のエロティシズムには注目される点が多いのだと思われます。植田正治さんの写真はヨーロッパの写真界では根強い人気があり、高値で取引されていています。ただし、これはパリのギャラリーの取り扱いでした。若手写真家については、次回改めて記します。

作品が大きく、また高額になってきています。そういう作品を作らないといけない、とでも
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言うかのようにこの傾向は顕著です。大きな作品はディテールまで見えるし、アルミ裏打ち表アクリルがほとんどですので作品自体はとてもクリアーで好ましい反面、写真を部屋に飾るという点で顧客を選んでしまうし、日本での取り扱いは難しいと言わざるを得ません。このイベントに合わせて日本人写真家も大きなフォーマットを用意したのだろうと思いますが、これがヨーロッパ向けのイベントフォーマットであって、国内向けに出せるものではないと言うことを写真家自身がわかっている必要があるのではないかと思います。個人のコレクターを作る仕組み、という点でアルミアクリル処理はいいと思いますが、大きさには疑問が残ります。写真家が一挙に欧米寄りのフォーマットに舵をとってしまうと、おそらく日本でのプリント販売の機運は閉ざされてしまうのではないかと心配です。写真家やギャラリーがパリフォトを経験して何を学んでくれるのか、今後に期待しようと思います。
R0010122.jpg今はパリ時間13日午後9時過ぎです。

関空を出発してほぼ12時間でパリに到着。そのままタクシーで市内に。アパルトマンにチェックインしてすぐに近所のスーパーマーケットに買い出しにいってきました。

夕食は結局レンジでチンするだけのパスタになってしまいましたが、すでに市内のアートギャラリーで写真展が開催されていて、レセプションなどが開催されている様子を確認することができました。一部の写真家はパリフォトと掛け持ちでこういった市中のギャラリーで写真展を開催しているようです。パリ写真月間と重なっているため、こういうギャラリーは多いのかもしれません。

明日は朝からパリフォト会場であるカルーゼル・ド・ルーブルに行ってきます。また時間を見つけてレポートします。
IMG_1342.jpgTANTOTEMPO +plusで登録をいただいている白崎弘幸さんの写真展を開催します。

氏の写真はモノクロ写真のダイナミズムを感じさせてくれる極めて上質な作品群です。強いコントラストが特徴で、構図やレンズの特徴を最大限に利用し、時には光彩を取り入れるなどリスクも冒しながら都会的な視点でイメージを作り上げていきます。中には北海道の冬の自然をモチーフにした白を強調したイメージなどもあり、モノクロームに憧れつづけて銀塩時代から現在のデジタルまでずっとこだわって作品作りをしているのです。

TANTOTEMPOでは白崎弘幸写真展を"B&W / BLUES & WHISTLES"と銘打って、2009年1月4日から25日まで開催します。B&Wはもちろんモノクロ写真のことですが、BLUES & WHISTLESはカメラを携えて都市のシーンを次々と切り取りながら闊歩する撮影者のイメージです。お楽しみに。
R0011357.jpg明日いよいよパリに発ちます。

かなり短期間滞在の旅ですが、一年ぶりのパリフォトがどんな風に僕たちを迎えてくれるか、大変興味があります。
また、昨年はまだTANTOTEMPOを立ち上げていた訳ではなく準備段階であったため要領を得なかった部分もありますが、今回はTANTOTEMPOの看板を背負っての旅となります。写真家やギャラリー、キュレーター、パブリッシャーなどの方々との面談もいくつか予定していますので、ぜひ有意義な滞在にしたいと思っています。
特に、来年度の大型企画の写真家を探す旅にもなります。昨年はパリフォトでPatrick Taberna氏と会い、写真展開催にこぎ着けましたが、今年はどんな写真家と出会うのか大変楽しみです。今年はパリ写真月間という街をあげてのイベントとパリフォトの会期が重なっているとのこと、できれば街のギャラリーにも足を運びたいと思っています。

パリフォトの様子は、可能な限りこちらのサイトでお知らせいたします。ぜひお楽しみに。
IMG_7650.jpgいよいよ12月13日からTANTOTEMPO pure参加写真家の写真展がTANTOTEMPOで開催されます。

写真はそのための案内ハガキで、既にプレスリリースなどは発出済み、これから関係各所に発送します。

この写真展ではギャラリーの一部をリビングルームに見立てて椅子や家具を配置、写真家の一部作品をディスプレーして写真がくらしの中にどんな風にとけ込み光を放つかを実際に来廊者の方々に見ていただきます。そのため、現在有力家具店とのイベント提携交渉をすすめています。また、写真展開催中にプリントをお買い上げいただいた方への特典なども設定する予定ですので、お楽しみに。
IMG_7645.jpg先週末パリフォトのコレクターセクションのパスが届きました。

まだ少し先ですが、こういうものが送られてくると気分が盛り上がってきます。今年は日本が招待国になっており、日本から多くの写真家、ギャラリー、出版社が参加します。
僕たちにとっても写真マーケットを研究するいい機会ですが、多くの写真家にとって本場ヨーロッパのマーケット界隈の仕組みを知るいい機会になると思います。多分に商業主義的な構造を呈してはいるものの、やはり写真のアートとしての認識は欧米には勝てないし、ディスプレーなど作品作りも極めて参考になるものです。そのパリフォトですが、最近の経済状況がかなり暗い影を投げかけるのではないかと少し心配です。マーケットがどのような反応を示すのかは、現地で確認するしかありません。日本年に重なるのはまったくもって痛いわけですが、こればかりは致し方がありません。

11月13日から現地に入ってレポートを行う予定です。お楽しみに。
R0010040_2.jpg連休中、楽しい方々の来訪がありました。

現在TANTOTEMPOでは若手写真家の写真展企画を次々と立ち上げていて、連休中写真家の菊池和歌子さんがポートフォリオを携えてわざわざ神戸に立ち寄ってくださいました。菊池さんは写真家で、現在雪と雪山をモチーフにした写真シリーズを熱心に撮影しておられ、いずれTANTOTEMPOに登場していただく予定の若手写真家です。

また、「浅田家」で注目を集めている浅田政志さんが、現在大阪ギルドギャラリーで個展開催中とのこと、前日の母校でのトークライブを終えてTANTOTEMPOに立ち寄ってくれました。

昨日はTANTOTEMPOが定休日だったため、大阪まで展覧会を見に行ってきました。

本物の家族、それもご両親まで登場しての記念撮影というのがコンセプトですが、ニコンサロンなど各地で行われている写真展にはたくさんの観客がおとずれていて大変人気があります。写真を眺めると本当に記念撮影なのですが、シチュエーションが面白くおおいに笑わせてもらえます。こういうほっと息を抜ける写真を見るのも穏やかな気持ちになれていいものです。一方で、コンセプトが明快で楽しい分、移り気な日本人のウケがどこまで続くのか、などと勝手な心配をして意地悪な質問をしてみましたが、ご本人はいたってまじめな顔で今後の写真への構想があることを教えてくれました。今後どのような展開になっていくのか、僕も楽しみに注目してみていようと思っています。


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